地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
<< November 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | permalink | - | -
<< 柳美里:「命」四部作 | main | 吉屋信子:女人平家 >>

宮尾登美子:蔵



蔵 (上)
宮尾 登美子

4041718031


新潟の旧家、蔵元の田乃内家に生まれようやく育った娘、烈。家族の愛と希望を一身にうけて成長していくが、小学校入学を前に、失明にいたる目の病を患っていることを知る。過酷な運命を背負う烈と祖母、父母、叔母たちが織りなす愛と悲しみの旅が始まった―。(byアマゾン)


目が見えなくなるって他人事じゃないんだな。これが。
わたくし、医者から(!)「目が見えなくなる」と言われたことが
3回くらいあります。
最近は慣れたもんだが(?)小さい頃はそら、悩みましたよ。
目をつぶって歩く練習。テレビと本を取り上げられたから、
ラジオやテレビの音声だけで色んなものを想像する日々。
おかげでクラスの話にはついていけないし。
毎日、1時間視力表の前に座らされる。まずい補助食材を食べさせられる。
(おかげさまで今でもプルーンは大嫌いだ。特にミ●は名前だけで拒絶反応)
病院には、視力が上がった人のグラフが張り出され、
毎月、少しでも視力が上がってないと怒られた。(何故だよ)

気がついたら、本もテレビも私の元に戻ってきたし
視力も落ちるとこまで落ちたら、もう落ちないし(笑)。
小さい頃の身の回りには、目がそこまで悪い人は居なかったけど
大人になったら、結構、おんなじくらいの視力の人居るし。
(普通のきっつい近視だっただけよ。つまり。
 色んな人に踊らされてただけで)

その小さい頃の努力は、今、何の実も結んでいないわけだが(黒)。

で、現在のうたぎくさんは、原因不明の難病(笑)からくる
目の病気のため、左眼は初期の白内障になってしまい
結局、「目」というものに振り回されがちな人生を送っているわけで
ございます。

この主人公の烈ちゃんも、小さいころから目が悪くて
若干日常生活がしにくかったんだけど
ある時、病院に連れていかれて「黒そこひ」と診断される。
(「黒そこひ」って緑内障?白内障は「白そこひ」なんだけど←調べろ)
で、その医者がやっぱり「将来、見えなくなる」って言っちゃうのよ。
まぁ、事実ではあるんだけど、子供心に思うことがあるわけ。
親も必死で、観音参りなんかをするんだけど
その無理がたたって、お婆ちゃんは寝込み、お母さんも命を失ってしまう。

烈ちゃんの家は大きな地主さんで、お爺さんの代から酒作りを始め、
この頃の大きい家の常で「先代からの財産は減らさず、しかも何倍にも
するのが優れた当主」というのを地で行こうとする。
でも次の代の烈ちゃんは目が見えない。
そんな娘にはロクな婿も来ないだろう…とお父さんもお父さんなりに
色々考えている。

でも烈ちゃんは、目が見えなくなってからというもの
「自分が次の当主だ」っていう意識が芽生えはじめて
父親が辞めようとする酒造りを自分もしたいと思い始めて…。

烈ちゃん、偉いよー。(号泣)

(目線や仕草で表現できないからのもあるけど)
利発な烈ちゃんは、自分の意志を父親に率直に話す。
そして、自分の考えはきっちりと貫く証拠に
介添えがなくても、自分のことは自分でできるように努力する。
烈ちゃんの最期はそれが徒となってしまったところもあるけれども
烈ちゃんの息子が、
「ぼくはお母さんが目が見えないってことを小学生まで気付きませんでした」
っていうのよー。

白内障は今では手術でさくりと治る病気だけど
もし、医療が今ほど発達してない時代だったら
私だって、目が見えなくなっているんもんねぇ…。
目はある日、突然見えなくなる。
烈ちゃんも、ある日、起きたら闇の中にいたんだ。
私も幼い頃はそれが怖くて仕方なかった。

そう思うと、この物語は私の中で特別な場所にある気がする。

私の中では烈ちゃんがただただ特別だけども
烈ちゃんをずっとサポートし続ける叔母さんの物語でもあるし
造り酒屋の物語でもある。なかなか色んな読み方ができるのでは
ないでしょうか?



蔵 (下)
宮尾 登美子

404171804X

宮尾登美子 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

- | permalink | - | -

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://utagiku.jugem.cc/trackback/106
この記事に対するトラックバック
BlogPeople
■古本市場■