地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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渡辺淳一:静寂の声

静寂(しじま)の声〈上〉
渡辺 淳一


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年末年始(というか帰省の往復の新幹線)で読んだ本でございます。
いやぁ、日本の年末年始にふさわしいセレクトですわね、わたくしったら。
これは、乃木希典とその妻。乃木夫妻についての物語。
乃木希典という人がどんな人か…というのは激しく漠然としていて
何とも説明しにくいのですが
とりあえず、日清&日露戦争で大活躍をし「世界のノギ」と世界中で有名になり
明治天皇が亡くなったときには、妻と二人で後追い自殺を図った
とにかく「ラストサムライ」な方だと覚えてくだされば。
(映画の「ラストサムライ」なんてあんなの侍じゃねえよ)
とはいえ、わたくしの中の今までの乃木像というのは
「坂の上の雲」では
ちんたらうじうじした野郎で
(「203高地だってばー!ばかー!伊治地むかつく!乃木もしゃんとせえよ!」と友人と叫びながら
 読書するそんな二十歳乙女ってどうよ)
「ミカドの淑女」(おんな)では
この石頭が!!というイメージ。うじうじしてんのに石頭なんて
鬱陶しいことこの上なし。
おかげさまで、その後に読んだ殉死なんて
さっぱり記憶にございませんえん。又、読まな。

ま、「又、読まな」という感想が出てくるように
おもしろかったんですねー。これがまた。

乃木という人はとにかく「男のメンツ」にやたらこだわる。
こだわりすぎて空回りしたり、敵作ったり、まぁとにかく
「どの時代に生まれても生きにくそうな奴やな」というかんじです。
ただ、そこに私心がないからかわいがる人はかわいがってくれる。
明治天皇から見たら、かわいくて仕方なかっただろうなぁ彼は。
そんな乃木に嫁いだ静子。
最初は乃木も「別に結婚したくないし、この女も別にそそらないし、
まぁ親や上司が言うから仕方なくー」みたいなかんじだったんだけど
(この周りから固められてしょうがなく…ってポーズが乃木さんは大好き)
静子も静子で、そんな希典の行動がさっぱり読めないまま
とにかく黙って仕えていた。

でも長年付き合うと、相手と「あうん」の呼吸ができるのが夫婦。
(知らないけど)
途中からの静子の動きはおもしろい。
乃木みたいな、神経質で生真面目でメンツにこだわるような男は
一回操縦法飲み込んだら楽なのかもしれん・・と思った。
家の改築をしたいけど、質素を好む希典はきっと嫌がるに違いない。
「そんな金は寄付してしまえー」と言うに違いない。
それじゃあ、夫の上司からそれとなーく、体面を傷つけないように
促してもらったら…
というような行動が、読んでておもしろくて仕方がない。
遊びまくっていた希典が、ドイツ留学後の異常な生まれ変わりっぷりも
単純かつストイックすぎて笑える。

もともと静子さんも地味目な女だったから
あの絢爛豪華な明治時代の華族の中でも、希典好み(?)に合わせられたのかも。
まぁ希典好みに学習院まで変えてしまって、下田歌子とバトっていたけど(笑)

希典も、外見はとっつきにくいけれども
ちょっとしたところで、静子にやさしさをみせる。
というか、基本的に希典はやさしい人間なのだろう。
私利私欲にまみれず、精錬潔白でありつづけ、
部下や戦争相手や統治した場所に
思いやりを持って接していたから
「世界のノギ」という名前が今でも語り継がれているんだろうな。

希典が静子と心中した後
第二次世界大戦に向かった日本では
希典は「軍神」静子は「烈婦」「女の鏡」などと奉られ、
戦後のウーマンリブの波の中では、静子の生き方は反するものとして
槍玉にあげられていたらしいが
いいんじゃないのかなー、こういうの。
すごくいいんじゃないの?


ランキングご協力ありがとう★
もう一声!お願いしますぅ。
作家別「わ」行 | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

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この記事に対するコメント

おぉ、渡辺淳一づいてるんですねー。
これもおもしろかった。
わたしとしてはダイッ嫌いな石川啄木を
渡辺淳一に書いてもらいたいんですよー。
きっとだめだめぶりがさらに加速して,
おもしろいに違いない,と思ってるんですけど
さっぱり評伝を書いてくれなくなっちゃった。
「冬の花火」もおもしろいです。
この本を読んでから中城ふみ子の歌集,買ってしまったものぉ。
今年もよろしくです。
あっ、「華岡青洲の妻」ドラマ化だって!
かっこー | 2005/01/06 9:41 PM
さっぱり評伝を書いてくれない・・・
というより

愛ルケが。

もう、なんというか
淳ちゃん、ぼけてんじゃないだろうかと心配です。

一応、全部買ったのかしら。
これからじっくり読みまする〜
うたぎく | 2005/01/10 7:29 PM
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