地味な女子の読書とか映画とか。

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有吉佐和子:連舞

連舞
有吉 佐和子

集英社 1979-10

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相変わらず佐和子さん、読ませますなぁ・・・。
これは日本舞踊のお話。
日本舞踊の先代家元の愛人だった母親。
そして父親が違う姉妹。
妹は先代家元の血をひき、踊りに天才的な才能を見せる。
母親は狂喜して妹にかかりきり。
常にその影となっていた姉。
姉の方は、身体つきが外人体型で、踊りの才能もあまりない。
常に周りに気遣いつつ、地味に生きている。

戦争が終わり、まったく生活の才覚のない親と妹を背負い、
さらには、家元(息子)の母親の介護まで始めた姉。

そこに戦争で家元(息子)が帰ってきたところから怒涛の展開を見せる。

アメリカ兵相手のショーを思いつく家元。
日本舞踊は受けがいいけれど、それよりもストリップショーの方が人気がある。
そこに偶然、姉の裸体を見てしまった家元は
日本舞踊の中にストリップショーを入れることを決意。
主役に、全く踊りの才能のなかった姉を抜擢する。
もちろん、彼女は恥ずかしくて抵抗する。
母親も抵抗してくれる。
しかし、母親が家元に条件付でOKを出してしまう。
その条件は、姉を家元の嫁にすること。

彼女の知らないところで裸になる事が決まるが、
ほんのりと思いを寄せ合っていた、楽団の男はそんな彼女から逃げてしまう。
失意のまま、裸になった彼女には惜しみないアメリカ兵の賛辞が降り注ぎ
彼女の運命は大きく変わっていく。

それまで地味に地味に生きてきた姉。
そこに降り注がれた賛辞。
舞台を重ねる毎に、彼女は変貌する。

そして家元夫人となった、姉に対し母親の態度もやさしく変わっていく。
母親と姉妹、ここで安定した心の交流が持てると思った矢先、
妹がアメリカ兵と結婚しアメリカに行くと騒ぎ始める。

「あんなのはもう娘とは思わない!あんただけが娘よ!」そういい始めた母親。
あまり愛もない家元との夫婦関係。
そんな色々が積もり重なったとき、渡された
代々家元夫人だけが見ることのできる、掛け軸。
あまりにもつらいことがあったときに、この掛け軸を見たらいい。
そう書かれてある掛け軸をついに開くとき
姉の踊りの才能が花開く。

有吉さんの本で、「いいなぁ」と思うのは
ちゃんと我慢?している女性が出てくるところだなぁと思う。
いいとこどり、人生楽しいことしかしたくないわぁ、というのはわかるけど
その裏には、我慢している人がいる。
もちろん、何を「我慢する」のかは人それぞれの感覚だし、
それに対する負荷もそれぞれだと思うけどさ。
あまりにも自分勝手すぎる(もちろん本人達はそういう自覚なし)人々の中で
生きていくお姉さんに、激しく共感するわぁ。

そして、迷惑かけられっぱなしの妹のことが姉は大好きなんだよね。
踊りがうまくなってから
「これでお母さんの愛情がわたしにも来る!」とは思わずに
「これで妹と連舞ができる!妹が早く帰ってこないかなぁ」って思うとこなんか
わたくしにも妹がいるので、なんかすごくわかって泣ける。

ま、我慢して、才能が開いたからいいよね・・・と黒い小人がささやいていますがw


ランキングご協力ありがとう★
もう一声!お願いしますぅ。
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有吉佐和子 集英社文庫 家元制度とはなんぞや、という疑問がある人にお勧めだと思う。 この人の物語は、人間関係の暗部の心理がよく書けている。 相変わらず怖いよう。 そのうち『恍惚の人』を読もうと思うのだが、 なるべく早く読んだほうがいいのか、30年くらい後
連舞 | orange machinegun 雑記録帖 | 2005/01/25 1:27 PM
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