地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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大庭みな子:津田梅子

津田梅子
津田梅子
大庭 みな子


明日、私の人生の新しいページがめくられます。
どうか素晴らしいものでありますよう…。
手紙!手紙!手紙!

膨大な数の手紙。

日本最初の女子留学生としてわずか8歳でアメリカに渡った津田梅子
11年後、日本に帰国。
この本は、アメリカでのホームステイ先の夫人に向けた梅子の手紙で
構成されている。
日本に降り立つ前日から始まり、
女子英学塾(現:津田塾大学)を設立するまで。

それにしてもすごい数の手紙だ。
実際この本に使われなかった手紙の方が多いのだろうけど。

明治の中頃、当時のお手紙は候文なのね。普通は。
だから他の人物の評伝を読むと
たいがいお手紙の内容はわかりづらいのよ。
候文だったり、うっとおしいくらいの修辞であったり。まぁいろいろと。

でも梅子の手紙は全文が英語だ。
言語学的にはどうか知らないけど、英語の文章は簡潔だ。
だから、それを現代日本語訳した手紙というのは
文章的に、今の手紙と変わらない。


明治の中頃に、こんなに生き生きとした手紙を書いた梅子。
(梅子が生まれたのは幕末なんですよ)
日米の文化の比較に関しては
どちらにも良い部分、悪い部分があることを書く。
同時に日本に駐在していたアメリカ人や
ミッション系の人間の矛盾もつく。
日本の風習にとまどいを見せても
だからといって、アメリカに帰る気はない!
わたしは、日本で女子教育の仕事をするんだ!と
熱意を見せる。

今でも「帰国子女」というと
「なんでも思ったことを率直に言う人」みたいなイメージがある。
(まぁそういう人ばかりじゃないけどね)
現代でもそうなんだから、江戸時代生まれの人も多かった
明治中頃という時代に、梅子の存在はかなり風変わりだっただろう。
大山捨松など、当時一緒に留学したメンバーの中でも
梅子は一番年下だったこともあり、
日本に帰ったときには、日本語も忘れ、風習も忘れていた。
終生、梅子の日本語はあやしかったという噂もある。

日本に帰ってからはしばらく、珍しい人扱いを受けるけど
彼女には何の仕事もなかった。
「政府はわたしにこんなにお金を使ったのに
 わたしのすることは何もない。
 なぜなら、わたしは女だからだ。
 でもそれは日本にとって大きな損失といえるのでないか?」
と思った梅子は、
様々な場所で転々と英語を教える。

一時期は下田歌子の女塾で英語を教えていたけれど
当時の女学校は「花嫁修業の場」。
女子が自立するための学校はなかった。

そこで梅子は女子教育について研究するために
再びアメリカに行く。
留学を終えた後、
「女子英学塾」の設立に奔走し始める。

作者の大庭みな子さんは津田塾出身で
当時(戦後すぐ)の津田塾の雰囲気。
授業の厳しさ。
また大庭さんは卒業後、アメリカに長期滞在していたので
自分と梅子とを重ね合わせる。
そして、津田塾卒業生の結束が、この本を大庭さんに書かせたのだろう。
次々と出てくる資料や証言は
ほとんどが津田塾関係者から提供されたものだ。

梅子に直接教えを受けたというおばあさんの証言の中で
「わははーと大きな声で笑う人」というのがあった。
静かに家の中で暮らしていた明治の女性の中では
かなり目立ったことだろう。


何よりもこの梅子の手紙!
文通とはこういうものだなぁということを久しぶりに思った。
世界情勢や日本での事件。
同じ留学生達の近況や仕事や。日々の驚きや感動や
それについて考えたこと。
ほぼ毎日のように書かれた手紙。
それは、対話する相手がいるから
日記よりも赤裸々で、躍動感がある。
こんな手紙(メールでも)書きたいねぇ。

この梅子の人柄に、当時の人々は出資し、
そして現在(?)の津田塾大学があるんだろうねぇ。
こりゃ、受験前に読んでたら津田塾目指しちゃうかもなー。



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この記事に対するコメント

こんにちは、yuriです。
「津田梅子」の自伝を中学生くらいのときに
読んだ記憶があります。
8歳で留学、すごすぎる…
年齢的には若いけど
昔の人は今の人よりしっかりしてたんですね、
それで、なんとなくその津田梅子のイメージが残ってて受験したけど、落っこちました。その後ミーハーな大学に行き、ミーハーな職業に就いたので、
津田塾に行ってたらまた違った人生だったかも、と思いながら読ませていただきました。
yuri | 2005/02/09 4:28 PM
昔の人っていうのはほんと大人だなぁと思いますねぇ。
芯が強いのかなぁ。
教育もあるのかな?

確かに津田塾行ってたら人生、全然違っただろうなぁ。笑
こんな地味に暮らしてないかもー。
いや、受けても受かるだけの頭脳ないけどね。涙

ところでミーハ−な大学&職業ってなにかしら?
うたぎく | 2005/02/09 6:10 PM
初めまして!蝶々さんとこから来ました
祈月と申します。
最近毎日読ませてもらってます♪
私も、ご飯の次に(笑)読書好きなので、興味
ひかれる本を楽しく紹介して下さってて、
遡って読んでます。

ほんとむかしの人の精神年齢は実年齢+10
くらいな気が…。現代人は−10??

津田梅子さんの経歴をむかしどこかで読んで
そのスケールの大きさが印象に残っています。
津田塾チャレンジ間に合わなーいっと思った記憶があるから大学進学直前くらいだったかも。
間に合っても頭が間に合わなかったでしょうが…。伝記モノってどうしてこんなにワクワク
するんだろ。さっそくゲットしたいと思いまぁす。
| 2005/02/10 1:07 AM
すみません。。名前入れ忘れました。
祈月 | 2005/02/10 1:09 AM
サザンと同じ大学で、
「やまとなでしこ」の桜子と同じ職です…
今は地道に生活してます。
yuri | 2005/02/10 11:32 AM
祈月さん★

はじめまして♪姐さんのプログではお名前を拝見しておりました。
コメントありがとう〜

ちょっと前に「30歳成人説」というのがあったけど、
今は「35歳成人説かも」と、「負け犬の遠吠え」の酒井順子さんは仰ってましたねぇ。
昔の女性は結婚も早かったから
早いうちから親元を離れる、というのも
精神年齢に関係するのかなぁと思ったりします。

また来てねー♪

★yuriさん

ま、まじっすか?
なんかミーハ-というか王道というか。
すごーいすごーい!
単語だけで華やかだー
うたぎく | 2005/02/10 12:33 PM
お邪魔します。
ランキングから「大庭みな子さん」の名前に引き寄せられました。
実は昔お隣さんだったんです〜
「まだ早いかもね」
とサインしてくださった本が積読状態です(汗)

津田梅子、早速読んでみたいと思いました。
覚えておこっと。
ヨウヨウ | 2005/02/10 3:56 PM
◆ヨウヨウさん

はじめましてー。
コメントありがとうございます。

お隣に作家さんが住んでたのですか!
磯野家のようだ!うらやましい。
そしてそのお隣さんと交流があるなんて・・・。
うっとり。

大庭みな子さんは、普段は歴史評伝モノは書かない作家さんで、
これは、本当に梅子に呼ばれて(?)書いた作品なのだそうです。
おもしろいですよ。

それにしてもヨウヨウさんは
素敵情報がぎっしりのブログをお持ちだ・・・。
うたぎく | 2005/02/10 6:48 PM
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