地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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司馬遼太郎:功名が辻

功名が辻 (1)
司馬 遼太郎

文芸春秋 2005-02

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あげま○への道
・・・他に何か適当な言葉はないのか?
「男を出世させる方法」とか?長いっつの。

さて、これは来年のNHK大河の原作です。
前に綾小路さんがNHK大河一覧のようなサイトを教えてくれたんだけど
司馬遼太郎、多いねぇ。
「坂の上の雲」も結局大河にするんだっけ?
字が大きくなった新装版が今出版ラッシュですな。

で、これは
司馬遼太郎にしては珍しい、というか唯一?の女性が主人公の本。

山内伊右衛門一豊
織田信長の時代から仕え、秀吉、家康、と地味に仕えながら
ついには土佐の大名になった男です。
この信長→秀吉→家康と3代、まるまる生きた大名というのは
家康以外には彼しかいないのです。
下克上の世の中、男達が争っている時代、
でもやっぱり出る杭は打たれる(というか死ぬ)のでございましょうか・・・(誰

信長に仕えていた伊右衛門が嫁にもらった千代。
二人は結婚当日、誓いをたてます。
「わたくしが、あなたを一国一城の主にしてみせます」
当時の伊右衛門はまだぺーぺー。
政治的な頭脳があるわけでも戦争がうまいわけでも
何か得意技があるわけでもない、ただの凡人。
人がよく、こまごまとした裏方仕事なんかは誠心誠意やるタイプ。
だけど、そんなのはこの男達の時代の中で埋もれてしまっている。
あんまり深く考えることもなく、
ただその日その日のお勤めだけの伊右衛門に
千代は様々な教育を施します。

でもそれは、「教える」ということではなく「考えさせる」。
「今日のお仕事どうでした?」
「えーと、××があった」
「あらー、なんで秀吉さんはそうしはったんでしょうね?」
「・・・うーん・・・(考える)あー、こういうことがあったから・・・
 あ!なるほど、そうか。そういう意味かもしれない」
という感じに。

うまいなー。私だったら
「そんなんこうこうちゃうの?なんでわからへんの。あほちゃう?」と
さっさと言ってしまいそうだ。絶対言うね!←威張るな。
もちろん、こういう風に考えさせる前に彼女なりの結論があって
そこに導くような問いの発し方をしている。
そして、彼女が投げたトスを短い時間でちゃんと理解できる伊右衛門。
いやぁこれこそまさにソウルメイトではないでしょうか?

しかし、やっぱりたまには伊右衛門も気がつく。
「この女、ちょっときついんちゃうか?」と。
そんなとき、千代は男らしく泣き落とす。
100の言葉より一粒の涙。
それを見ると伊右衛門も
「なんだかんだ言ってもこいつは女やなぁ」と気を取り直す。

逆に伊右衛門の良いところは、
そういうかんじで出世階段を上っていくけど
それを「俺の才覚で上り詰めたぜ」と絶対思わないところだ。
「俺は何かと運がいいなー。みんなも助けてくれるしなー。
 千代はやっぱり俺の守護神やなー」と
暢気に(?)思える。
だからこそ、千代の投げかけに瞬時に反応できるし
同僚にも嫌われない。部下には慕われる。上司にも目をかけられる。


千代の提案はときには進退を決めてしまうような大胆なものもあった。
そして千代自身が身体を張ることもあった。
だけど、伊右衛門は千代を信じ、納得した。
そして、山内家の家来達もそんな主人夫婦を信じた。
それによって、信長から秀吉、そして家康の時代を生きることができた。


ただ、1度だけ千代と意見が合わないことがあった。
それは、家康の時代になり、領地が決まったとき。
掛川城から、一気に土佐一国を与えられた伊右衛門。
しかし、土佐の国は、それまで別の勢力が治めていて
新しい城主を歓迎せずに暴動を繰り返していた。
千代は、この人たちも山内家の家来として召抱えてほしいと思ったけど、
伊右衛門はそれをしなかった。
伊右衛門は、土佐一国を与えられた瞬間に
普通の男になってしまったのね。
今まで、「運がいい」って思ってた男がいきなり
「これは俺の手柄だ」って思うようになった。

このときの伊右衛門のやり方が良かったのか
千代のやり方が良かったのかはわからない。
夫婦でいつも一緒に考えているだけで足りた小さな山内家は
気がついたら千代の手から離された大きな家になってしまっていた。

結果としては、伊右衛門の山内家は江戸時代が終わるまで続いたわけだけど。

伊右衛門が死んでしまい、次の当主に代わると
千代はさっさと土佐を離れた。
彼女にとっての「土佐」は伊右衛門と二人でいるから意味があったのね。
千代は死ぬとき
「おもしろい人生でした。だけどちょっと疲れたみたい」と言ったのよ。
夫婦で二人三脚。
家来も居ないような流浪の武士から、一国の主になった。
それは信長から家康までの戦国時代の奇跡(軌跡)だと思う。


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司馬 遼太郎

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この記事に対するコメント

すごい興味を惹かれました。
でも、全4巻・・ながい・・。
でもなんだか、素敵な夫婦だねぇ。
私も気が強いから「なんでそんなのわかんなかったの!?」とか言ってしまいそう。千代、大人・・・。お互いが成長できる夫婦って理想。
司馬遼太郎は1つも読んだことがないけれど、これは、読んでみたいです。

わたし的には、今月買ってる「フランス人がお金を使わなくてもエレガントな理由」の書評が早くよみたいわ♪
achaco | 2005/03/09 10:29 AM
achacoちゃん★

読むべし読むべし。
4冊なんてあっという間よ〜。
文字がみっしりってわけじゃないから
さくさく読めるわよー(回し者?)

「フランス人〜」読み終わってんねんけど
ちょい待ってね。
他にも色々たまっているのよう・・・・
うたぎく | 2005/03/09 12:26 PM
待ってます、待ってます・・・
うたぎくさんは1ヶ月にどのくらい本読んでるの?
すごいよー。そして、書評もとっても好き♪
文章上手いですよね。すごく興味そそられますよ。
そして、本は全部手元に置いてあるの?
すごい膨大だよね・・・。

この本読んでみよーっと。
achaco | 2005/03/14 12:13 PM
仲間由紀恵のお千代さん
・・・反則です
らぶナベ@まろまろ | 2005/03/14 6:08 PM
★achacoちゃん

待っててね・・・待っててね・・・。
1ヶ月どのくらい?ってカウントしたことないなぁー。
メモらなければ。
本は手元にあるのもあれば
売り払う(笑)ものもあり升。
読んでみてー読んでみてー。

★なべさん

仲間由紀恵は演技がうまいのか否か・・・
「ごくせん」じゃわかりませんよう。
それよりも上川隆也があののんびりした
伊右衛門ってことの方にどきどきする・・・。
大丈夫なのか。


うたぎく | 2005/03/14 7:53 PM
学生時代、「こういうヨメもアリだな」などと思いながら読みました。
また読み直してみようかな。

ちなみに、4巻で高知城と城下町がつくられていく話が出てきますが、
ちょうどそのあたりが私の生活圏でした。

社宅を出て、県警本部の裏手から高知城に入って
板垣退助像を見ながら追手門をくぐり、
武市半平太が切腹したところを通って商店街から電車通りへ。
以上、通勤ルート徒歩20分。
元・高知市民@京都在勤 | 2005/07/30 1:21 AM
あっはっは。誰かわかった。笑
コメントありがとう★
お仕事乙です。

いいなぁ、その通勤ルート。
ちょっと渋いじゃないの。
家康の時代&幕末、江戸の初めと終わりを
びしっとしめてるじゃないの。
京都はそういうんじゃないからなぁ…

>通勤ルート徒歩20分

これが魅力。笑
うたぎく | 2005/07/30 12:22 PM
伊右衛門を「うちの殿様」と呼ぶぐらい、
たった2年間で私も高知の人になってしまいました。

それにしても、高知城の追手門外にある
殿様の像は大竹まことに似ている、
などと思うのは私だけだろうか………。
ちなみに千代と馬の像は城内にあります。この扱いの差は何?

ま、現在の高知市中心部の原型は
伊右衛門がつくったわけだし、
わたしが仕事していたところは、
かつて子ども時代の坂本竜馬や板垣退助がウロウロしていたわけで
(勝手な推測、だって生家が近いもん)、
なんか想像するだけでもワクワクする…。
元・高知市民@京都在勤 | 2005/09/25 12:29 AM
元・高知市民@京都在勤さま。

なんと読めば…笑

伊右衛門が「うちの殿様」なんだねぇ。
山内家というよりも伊右衛門個人なのかしら?

>かつて子ども時代の坂本竜馬や板垣退助がウロウロしていたわけで
なんか想像するだけでもワクワクする…。

私が歩いているところは
新撰組がわしわし人を斬りまくったところで…
バカな法師が酒甕に頭から突っ込んだり…
あぁわくわく…しねえな、なんか最近。笑

よく考えるといちいち京都って怖いんだよ。
千本通りは、千本の卒塔婆が立っていたあたりとか言うし。わぁん怖いよ。墓場だよー

四国未上陸。
来年こそは…!
うたぎく | 2005/09/25 8:47 PM
大河ドラマ第一回。
部屋にテレビを持ち込んでないので
わざわざ実家に帰って見てきました。

うーん、すげー展開。
っていうか、やりたい放題全開モード?
元・高知 | 2006/01/12 11:01 PM
来週からからと思って見忘れたんだよおおお!
TOKYOで遊んでたよおおお!!

あ、今日、昼から再放送があるんだっけ?
去年もそんなこと言って「義経」見なかった罠。笑
うたぎく | 2006/01/14 11:48 AM
司馬作品と同名のツッコミどころ満載な
戦国版ホームドラマってところか?
ある意味、期待できるかも。
元・高知 | 2006/01/14 5:48 PM
みたみたみた、今日。

思ったよりは良かった。
画面がそんなにスカスカに感じなかったから。
ただ仲間由紀恵が出てきたらどうやろ…
わたしは彼女の演技力に激しく疑問を持っています。笑
あのアンパン顔の子役でいいよ、もう。笑

信長や秀吉の役の人は
どうしても渡哲也と竹中直人っぽい演技になっちゃうなぁ
うたぎく | 2006/01/15 12:42 AM
はじめまして。
うたぎくさん とても素直な感性と聡明さをお持ちのようですね。
千代のような女性になって行くのではないでしょうか。(原作のイメージにおいて)

大河ドラマの方は、ちょっと脚色しすぎのようで、最初の出会いから変に劇的にしようと、もって回ったような演出にまどろっこしさを感じてしまいます。
これは、トレンディードラマの手法なのでしょうか。

それと、伊右衛門がかっこよすぎる。
こんな人をコントロールして守り立てて行くのは大変でしょうね。

ということで、益々千代を応援したくなりました。
jun | 2006/01/25 12:27 PM
junさん。

初めまして★コメントありがとうございます。

原作って最初あんな話じゃないですよねぇ??
ドラマティックなのか、
単に一豊がロリコンなのか、悩ましいところ。
香川照之と仲間由紀恵が幼馴染って設定もきっついですけど。笑
一豊格好よすぎですよねぇ。
別に千代いらないんじゃ?と。わはは。

でも思ったより面白いです。
やっぱり大河は戦国に限りますねぇ。

>素直な感性と聡明さ

そんなものはあいにく持ち合わせてないのですが…笑

ま、またきてくださいねー
うたぎく | 2006/01/25 8:59 PM
結局、大河ドラマは最後の2ヶ月しか見なかった
(だってそれまでテレビを設置してなかったんだもん!)。
かつて原作や「関ヶ原」を読んだせいか、
結構ツッコミどころ満載で、ある意味たのしめた。
たとえば、
捕縛された三成に羽織をかけるのは黒田長政だろうが!!
みたいな…。ま、どっちでもいいんだけど。
一豊も原作以上に千代千代いってたような気が…。
それにしても今回の淀殿は良かったと思う。
元・高知 | 2006/12/16 8:32 AM
・・・わたしもほとんど見なかったよう。

>だってそれまでテレビを設置してなかったんだもん

つーことは京都にいる頃はTVがなかったということ貝?
すごいねぇ。

あのドラマ、千代だけが時が止まったかのように老けないのが不気味であった。
うたぎく | 2006/12/17 12:19 AM
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「功名が辻 1・2・3・4」司馬遼太郎著、読んでみました。恥ずかしながら、実は「司馬遼太郎」を読むのは初めてでした。今年になって「NHK大河ドラマ・功名が辻」の総集編を観て、かなり面白かったのが「縁」で読み始めてみました。この「功名が辻」という作品は
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