地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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佐藤愛子:血脈

血脈 (上)
佐藤 愛子

文芸春秋 2005-01

おすすめ平均

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血筋なのか家風なのかなんつーか…
佐藤愛子という作家さんは
佐藤紅緑という作家を父に持ち、
詩人のサトウハチロー(「小さい秋みつけた」とか)を兄に持っていた。
で、まぁ芸術家をたくさん輩出した家というのは
やはり他の家とは違うというか。
岡本太郎の家もそだもんな)

その佐藤家の物語。
紅緑が主で、八郎が子供だった頃から話は始まる。
紅緑、紅緑の妻、そして八郎以下5人の息子。
そして紅録が激惚れして、妻や家族を捨てて走ったシナ。
成長した5人の息子とその妻、子供達。
そしてシナの産んだ、愛子。
愛子が成長して結婚して…。

という家系図書いたらすっきりするんだろうけど
とにかくたくさんの登場人物のそれぞれの人生。

とはいえ、この佐藤家というのがめちゃくちゃで
家として家族として機能していない。
父親の紅緑はシナに惚れて家を飛び出すは
その妻は、何も家のことも出来ず愚痴るばかり。
ちっとも子供のことなど見てやしない。
当然子供達はぐれまくり、
親から金を引き出しては、様々な事件を起こす。
だんだん周りも、「血筋やな」とあきらめて
そんなことにはびくともしなくなっていく。
だから、どんどん悪循環。
一番愛情をかけられた(生まれた時期の問題だと思うが)
長男の八郎がなんとか才覚を持って生きていくけど
後の子供達は、極端になれば父母や兄弟の顔すら知らない。
それもやがて集結するんだけど
それでも下の子達は、まともに社会生活を送れない大人に育つ。
今で言ったらアル中や、鬱病や。
子育てって…ということを思わず考える。笑。

愛子の母親のシナは女優を目指して田舎から出てくるが
紅緑の異常に強い愛情に縛られて
やがて、夢をあきらめる。
全ての原因を紅緑のせいにして
自分は「あきらめ」を人生を送る上の最上の手段としていくが
子供の愛子にはその母親の気持ちはもちろんわからない。

詩人として世間の寵児となった八郎も女性関係が絶えない。
八郎の弟達は
「紅緑の息子、ハチローの弟」という立場を利用して
適当な暮らしを続ける。
そんな育ち方をした兄弟たちは、お互いに父親から
お金を引き出す手段でしかない。

結局、この佐藤家の男の子達は
「かまって欲しい」という感情が全てだ。
そして、父親や兄のような才能もないまま
その違いに愕然として、町を彷徨い、事件を起こし、
最後は早死にする。
アル中による胃癌や、原爆死や、餓死や。
それでも、佐藤家の人々は
「これでうるさいのが一人減ったわ」という立場だった。
そして彼らに関わった女達もそんな佐藤家のやり方に慣れて
やがて、逞しく生きていく。
だけど彼らの残した息子達もまた、佐藤家の血筋を引いた
子供に育っていくのね。

これ、「細雪」みたいだなと思った。
もちろん「細雪」は、四姉妹のちんたらした一年の物語だけどさ。
「細雪」の中で、着物こしらえて花見に行ったり
お見合いしたり、下の娘が独立したり、
そういうのを特に盛り上がりもなく書いているのと同様に
父親の出奔や、子供の事件や、なんやらが
特に盛り上がりもなく、当たり前のように書かれているところが。
蒔岡家の四姉妹の四季と同じように
それが佐藤家にとっての日常だから。

まぁ、「佐藤家」であったり「佐藤家の血」というものを
あまりにも免罪符にしすぎやしてないか?
というところもあるけどね。

泣けるのが、父親の紅緑にずっとついて
彼や彼の息子達の面倒を見つづけていた、福士さん。
彼も天然で、面倒見るつっても中途半端ですぐ放浪したりするんだけど
佐藤家の呼び出しには、何があっても飛んでいく。
遠くから「福士です!福士が来ましたよう!」とやってくる。
彼が死んだときには泣けたなぁ。
紅緑がもういろんなことを訴える相手がいなくなったと思って。
バラバラな佐藤家が彼によってなんとか結びついていたのに
その結び目がなくなって。

そういえば、八郎の弟の節だっけ?
その彼が付き合っていた女の中に
あの眞杉静江が出てきたんだよねえ。
どのタイミングで繋がってたんだろ。

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血脈 (中)
佐藤 愛子

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血脈 (下)
佐藤 愛子

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この記事に対するコメント

コバワ☆

相変わらずヲイラの興味を引かない本を読んでおるの〜。ヲイラは基本的に小説は読まんのじゃ。

昔は、ちょこっとは読んでいたけど、「罪と罰」で挫折してから、アレルギー反応が出てくるようになったんじゃ。

特に外国文学は、聞いたこともない名前の人間が何人も出てくると、非常に苦痛を感じる。あと、意味のない風景描写とか・・・。

でも川端康成の風景描写は、ヲイラなりに格調高いな〜なんて思うけど。

まあ、たまには立花隆の本でも読んでみたらいかがですかね?
T-Takeda | 2005/03/13 9:53 PM
★T-Takedaさん

笑。
興味ひかないっすか。
外国文学はわたしもダメです。
日本オンリー。
文学に限らず、外国の心理本みたいなので
ジュディとロバートの場合・・・みたいな話もダメ。
でも意外におもしろかったのが
マッキンゼーの青い本。
忙しそうで、読んでる方が息切れするけど。笑

立花隆なぁ・・・
うたぎく | 2005/03/14 1:43 PM
また荒らしにきました。(・∀・)ニヤニヤ

ところで、「人気blogランキング」だけど、これってけっこう大変じゃないっすか?上位に行くの。
なかなか「太い字」の方まで上がって行けませんよ(´・ω・`)

確かにブログはじめたのは最近だから、常連さんが少ないのは仕方ないけど、ヲイラの忍耐力のなさは筋金入りなんです。

でも、もちっと頑張ったほうがいいですかね?
T-Takeda | 2005/03/14 10:39 PM
はっ。荒らしやったんや。笑

blogランキングなぁ。
最高2位。でもすぐ落ちたー。
今は1ページ目から落ちなかったらいいかな、と。
でもすぐ転がり落ちるんだけどさ。

常連・・・、日記ブログみたいなのだったら
つきやすいんだろうけどねぇ。
わたしは時々皆が見にきてくれたらいいわ〜v
うたぎく | 2005/03/15 11:48 AM
コバワ☆
またスパム行為に来ました。(・∀・)ニヤニヤ

Blogランキング2位とは、すごいですな〜。ヲイラのブログが、その順位まで上昇することは永遠にないでしょう(;´∀`)

>今は1ページ目から落ちなかったらいいかな、と。
落ちてますよ・・・・(´`lll)・・・
やっぱり毎日更新しないとダメみたいっすね。ブログの世界も厳しいもんどす。すでに「趣味」の領域を超えているような気もします。もっと楽にやってもいいのにね(´・ω・`)

ところで、本売れてまっか?( `・ω・´) シャキーン!
T-Takeda | 2005/03/15 7:09 PM
すまぬ・・・。

っていうか、takedaさん、
だんだんキャラ変わってきてますね?
ご自身のプログからは想像できませんが?笑

ランキング、夏くらいまでは
そんなに人いなかったんだもん。
だからちょこっとくりっくするくらいで
上位にあがれたのよ。

本・・は、みなさんのおかげさまで
なんとか前四半期から売上がでるように
なりましてん。
つっても3分の1くらいは自分の気も。笑
儲かってますか?アフェリアイトは。
うたぎく@遅レス・・ | 2005/03/16 7:50 PM
☆コバワ♪

>だんだんキャラ変わってきてますね?
気のせいだ!m9(`・ω・´)

>儲かってますか?アフェリアイトは。
売上ゼロではないっすけど、どういうわけか、ヲイラが推薦してる書籍は一冊も売れないのでふよ_| ̄|○
先日も売上があって、「何の本買ってくれたのかな?」と思って調べてみたら、『混浴宣言』!!
ウキキ。( ゚Д゚)ポカーンでしょ?

でもあきらめてまへんでふよ。(`・ω・´)
「アフィリエイト徹底活用術」っていう本で勉強してるんでふ。こっそりと♪

これから試行錯誤しながら、お小遣いを稼ぐ気でいるんでふよ。

正直言ってアフィリエイトじゃ、たいしたお金は稼げないっす(特に本では)。これで「不労所得」をガッポリ稼ごうなんてのはアフォが考えること。ほんと「お小遣い」がいいとこでふよ。

ま、お互い頑張りまひょ。いい情報あったら教えてね(^_^)/~

T-Takeda | 2005/03/16 11:51 PM
お小遣いというか、
まぁ皆さんが買ってくださってはじめて
アフェリエイトだからなぁ。
だから売上を意識したことはないんだけど。
目的でもないし。
わたしも半分くらいですよ。
ここで紹介した本は。
でも売上が商品券だから
それでまた本が買えてここで書ける…ってことで
運営費?(笑)
今んとこアマゾン以外の広告貼る気もないのもそういう理由っすわ。笑。


うたぎく | 2005/03/19 4:12 PM
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