地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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内田春菊:あたしが海に還るまで

4167267055あたしが海に還るまで
内田 春菊

文芸春秋 1997-10

おすすめ平均

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自儘な性暴力を続ける義父と、見て見ぬふりをする実母に訣別し、16歳で家を出た主人公・静子の凄絶な青春時代。逃避行、東京への出奔、セックス、中絶、旅館の住み込みからスナックのホステスとなり、マンガ家や歌手への夢を抱いて再び上京、レーサー崩れの男との結婚・破局まで、激流のような、辛苦と希望が交錯する日々。


もうね,結論から言うとね。
ADDでしょう。彼女は。
ファザーファッカーの最後、彼女は夜中、家を飛び出す。
そのすぐ後から物語は始まる。
男の子を呼び出し、福岡まで逃げるが
彼女の思う「家出」と男の子の思っていた「家出」は訳が違った。
男の子は1週間くらい、ちょっと親を心配させるくらいの家出だと
思っていた。
だから福岡で住み込みの仕事を始めてすぐに
実家にばれ、強制送還。

このズレなんだろうなぁ…。
何故か、彼女の求めるものと男が理解したものはズレる。
それは彼女の説明不足や高すぎる期待もあるんだろうけど
よくまぁここまでズレた男ばっかり…と笑えてくる。

長崎の実家に連れ戻された彼女は再び義父にやられる日々。
だけどまた飛び出して、今度はあちこちの職を転々とする。
旅館の住み込みや、写植工。
そして東京に飛び出すが、そこに母親と妹が転がりこむ。
これで、ついに義父のいない親子水入らずの生活、と
彼女は思うが、やっぱり義父が追っかけてきて
連れ戻される。
なんで家出するのに、母親に連絡とるのかなぁと
だんだん腹が立ってくるんだけど…。

結局家を出るということだけは成功するけれども
何故か母親が口を出してきて
勝手に見つけてきたマンションになんだかんだ言いながら
引越したりする。
もう、なんで言うこと聞くのかな。
でもやっぱり10代の女の子だし、母親を求めるのかな。

で、やがて実入りのいいホステスの仕事を始める。
彼女は歌がうまく、歌をさせてくれる店を探して。
ときどきオーディションも受けて
「スター誕生」に出たりもする。

そしてまた東京に出て、
やがて結婚。
でも結婚生活もすぐ破綻して、家出をする。
…そこでまた終わるんだけど。笑
(ちなみに次の結婚も家出で終わる。
 「犬の方が嫉妬深い」に詳しいけど、あまり薦めません。笑)
 
よく「スーパーテレビ」なんかで
歌舞伎町や風俗に集う女性たち、というような特集で
そういう子達は実家が云々…ってある、
そんな話がなんとなくだけわかるようになった。
(完全にわかるわけないもの。そんな傲慢なこと言えませんえん)
自分を粗末に…というのもあるけど
さみしいんだろうなぁ。
だからやさしくしてくれる人にすぐ寄りかかってしまうのか。
だけど、そこに「理解」を求め始めると、すぐ破綻するんだ。
相手はそういうつもりで近づいたんじゃないから。

だから彼女は男に尽くす。
心の中で疑問に思うこともあっても
「そんなもんかな」と思ってしまう。
(時間がたってから「あれはおかしい」って言うけど。笑)
それが男を助長させてしまう。
それはまるで、彼女の母親を見るようだ。
でも彼女は気づかない。
しかも、男は彼女を安く見る。
これは彼女にも責任があるような気がするけどね。

男嫌いになってもおかしくないのに、
次々と似たようなことを繰り返す。
男はこれだからイヤー!なんて言いつつ、
別のところでは、「男好き」だと言う。
わっかんねえよ。

シモネタを話す女は、「すぐやれる女」だと思うらしいよ。
そして、男だったら誰でもいいんだろ、と思うらしいね。
不思議なんだけど、そういう脳内変換をする生き物なんだろう。
(いや、全員がそうとは言わないけど)
「男はいいけど、女はダメ」ということが
彼女にはあんまり理解できないんだろうなぁ。
そしてそれはずーっと今まで続いているように思う。

次々と仕事をしながら、色んな目標に向かって
生きていく彼女は逞しい。
そこだけ見ていたら、気持ちがいいほどだ。
だけどなぁ…何せ、男達がなぁ…。
でもこれもある意味真実なんだろう。

「ファザーファッカー」「あたしが海に還るまで」を読んでると
あちこちで、他の小説やマンガに転用されてる部分がある。
彼女の基本はこの2冊だと思う。
この2冊はずば抜けて面白いと思う。
ただ波乱万丈な人生(って言葉はあまり好きではないけど)と
たくさんの男経験、これだけで話が持ってしまうから
洞察や相手への理解や想像みたいなものが欠けてるかなぁ…
と思う時がある。
他人の行動に後から理屈をつけることはあるけれどもねぇ。
だから他の小説だとちょっと弱いんだよねー。
マンガは面白いんだけど。


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この記事に対するコメント


どういう環境の家に生まれ、育ったかって
その人の人生にすごーく影響してくるんだなと思いましたよ〜。
yuri | 2005/07/03 12:17 AM
(-_-;)むー
「地味な女子」が、また「地味じゃない内容の本」を読んでいますな。

>シモネタを話す女は、「すぐやれる女」だと思うらしいよ。
>そして、男だったら誰でもいいんだろ、と思うらしいね。
>不思議なんだけど、そういう脳内変換をする生き物なんだろう。
>(いや、全員がそうとは言わないけど)
確かに全員ではないね。いや、全員でないどころか、シモネタ話したくらいで、「すぐやれる女」とは思わないけどなぁ。。。
それとも何か辛い過去でも?
デミアン | 2005/07/04 12:41 AM
◆yuriさん

そうなんだよねぇ。環境や育ち方。
どんな人間と接してきたか。
それが人格の9割以上占めてしまう気がする。
本人の力だけじゃどうしようもないしねぇ。

◆デミアンさん

「すぐやれる」じゃないけど
なんだろうなぁ…
まぁ、居ますよ。そういう人。
逆に、そういうのが大好きな女もいるんだろうしね。
そういう見極めをね…わはは。

うたぎく | 2005/07/04 10:55 AM
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