地味な女子の読書とか映画とか。

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菊池寛:無憂華夫人

4167410060無憂華夫人
菊池 寛

文芸春秋 2003-03

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維新の変乱からの因縁で敵同士となってしまった侯爵家と伯爵家。侯爵の妹、名花中の名花と謳われる絢子姫と、伯爵の弟、青年外交官の康貞は、ともに惹かれ合うが、旧臣の反対にあい、破談。それでも愛し合う二人は一生結婚をしないと誓うが、運命は皮肉な結末を用意していた…。九条武子がモデルといわれる悲恋小説。



悲恋すら誰かの犠牲の上に成り立つのかしらね…
一番かわいそうなのは、こんなんを押し付けられた夫じゃ…
と思うんだけどどうだろう。
美男・美女の恋物語は破談になって
彼らは「一生結婚しない」と誓った。
だけど、当時、女性、しかも身分のある絢子には
独身を貫くことなど無理だった。

結局母方の貴族と結婚することになるんだけど。
確かに気が弱いかもしれん。
彼女の好みじゃなかったかもしれない。
だけど、彼の一挙手一投足にそこまで批判の目を向けなくても…と
思ってしまう。
彼は、絢子のことが好きだったから
「じゃあ、僕はあなたには手を出しません。
 兄妹として暮らしましょう」
なんて、言ってくれる。
いいやつじゃないのー。
そしてその言葉を守って、3年も彼は耐えるわけ。

で、やがて彼女も何の罪もないのにお預け喰らってる
彼に親しみや贖罪の気持ちも生まれ
「…じゃあそろそろ…」とOKサインを出す。
狂喜する旦那。
でもコトが終わってしまうと、絢子さんは
「やっぱり無理だわ!ごめんなさい!離縁してーー!」と。
わーん、ひどいようー。
そりゃあ旦那さんはヨーロッパ行って帰ってこないよー。

康貞は康貞で、海外勤務を終えて帰ってきたら
絢子に会ってしまうんだよねぇ。
会って、プラトニックな心の交流が始まる。

いや、いいんだけど。
もともとは、華族やなんかの身分や確執の問題が
こんなおかしな結婚生活を生んだんだ、って頭では
わかってんだけど!

でも!
康貞と絢子だって、愛し合うっつったって
2回しか会ってないんだよ!
2回、浜辺をお散歩しただけで
結婚しよう!って話になったんだよ。
世の中ではそれが運命…(はあと)と思うんだろうけどさー
絶対、おかしいって。2回だよ!
いいのかよ、それで。
…いや、当時だったらそれもアリなのかもしれないけど
その2回の逢瀬に負けてしまった旦那さん…
愛してたのにな…
そら、ヨーロッパで愛人もつくるわ。

原因の一端は絢子の優柔不断っぷりにもある気がするし。
断れないにしても…何かあるだろ…
自己犠牲するなら徹底的にしなさいよー!
これが旦那がひどい男だったらまだ同情の余地もあるのに…

ま、そんなことはいいとして。
「真珠夫人」や「貞操問答」のときも思ったけど。
当時の文章のクセなのか、菊池寛だけなのか
「!」マークの使い方がおかしい気がするんだよねぇ。

「学校は昨年お出になったのですって!」
「はあ!」絢子は慎ましく返事をした。


…もしもし?耳でも遠いんですか?
慎ましいようには私には思えないんだが…(汗)
そんで「はあ」「はあ」という返事の仕方。
返事は「はい」でしょー。
気になりだしたら、ちょっと止まらないわ。これ。
あと「どうぞ。」という言葉を使うシーンとか。
こっちの使い方が正しいのかなぁ…むーん。


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この記事に対するコメント

この作品読みましたー。愛し合う同士が結ばれないのはすっごい悲惨ですね。昔の人はそういう人間関係はもちろん、好きな人同士くっつくことすらできなかった時代ですから。
読んでるとき、好きなら駆け落ちすればいい!それがだめならいっそう思いきって精神的にも肉体的にも結ばれればいいじゃないと思いましたな。
さおり | 2005/08/05 10:07 PM
当事者もつらいだろうけどね。
夫がかわいそうで…。
彼自体なーんも悪くないのに邪魔者なんだもの…

彼らには身分や家柄や世間体や
いろんなものを背負っていて
自分たちの問題だけじゃないって
痛いくらいにわかってたから思い切れなかったんだろうねぇ。
でも、最後の方もプラトニックだったのは
謎。
きれいなままで終わらせたかったんかしらね?
うたぎく | 2005/08/06 2:57 PM
うたぎくさん

読んでる間泣けてしまいそうでしたよ。うるうる。まさに和製ロミオとジュリエット
っす。貞操問答と同じテレビドラマ・映画化にして欲しいです。
絢子には松島奈々子に。康貞には伊藤英明に。絢子の旦那役にはうーん、思いつかない・・。菊池寛の小説には男尊女卑の現れ方がはっきり出ていることがわかります。
さおり | 2005/08/10 3:09 PM
そうかぁ。
わたしは小雪っぽいかなぁと思ったよ。
話のモデルが九条武子だからなぁ。
康貞が伊藤英明っていうのはわかる!

男尊女卑は当時の考えだからねぇ。
更に、身分が上の人たちというのは
余計制約が強かったのでしょう…
とはいえ、菊池寛の小説では
常に心理的には女が主導権を握っているのだけど。笑
うたぎく | 2005/08/11 9:10 AM
絢子のの旦那には武田真治か雨決の宮迫。
絢子の兄は石黒賢か唐沢。
さおり | 2005/08/11 9:09 PM
この旦那とお兄さんは、ちょっと弱めの方がいいかも。
お兄さん、佐々木蔵之介いいかもなぁ…
(結構あの「通りすがりの人」感が好き…)
旦那は、あの人。
今の月9の、自動車学校の生徒やってるおっさん!
かわいそうな感じがすごく…
うたぎく | 2005/08/12 10:47 AM
私、月9見てないんで自動車学校の生徒をやってるおじさん知らないんです。ごめんなさーい。

康貞の兄貴、絢子の兄貴のどっちかに陣内孝則いいかも・・。
絢子の兄貴の奥さん(絢子の義姉)は高取沙耶。うん、うたぎくさんの言う通り、確かに絢子の旦那はちょっと弱めの方がいいかもね。うんうん。じゃあ、誰がぴったり合うだろう・・。うーん・・思いつかない。

「貞操問答」「無有華夫人」「第二の接吻ーセカンドキスー」はもう読破したから、今「三家庭」「陸の人魚」「不壊の白珠」すごっく読みたい!この三作品はもう絶版してるかもしれないからゲットできないだろうなー。しくしく。
さおり | 2005/08/13 10:07 AM
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