地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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山崎豊子:華麗なる一族

4101104123華麗なる一族〈上〉
山崎 豊子

新潮社 1970-05



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業界ランク10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編成の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するために必死である。長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の営業内容を極秘裏に入手、小が大を喰うたくらみを画策する。一方で、阪神特殊鋼の専務である万俵鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。不気味で巨大な権力機構<銀行>を徹底的に取材した力作。


銀行ってすごいなーー。
数年前までは地銀を使っておりまして。
(というか田舎モノとしては都銀はなんか敷居高えよ)
まぁそこがATMの土曜日出金まで金をとるようになったので
某手数料一切いらない銀行へ移動したのです。

そこで気がついたのだけど、
結構、みんな金持ってんのな。

ううん、ちょっと意味が違うかなぁ。
例えば、毎月毎月ATMに行ってお金引き出すだけでは見えなかった情報が
インターネットバンキングなどをすると見えるようになる。
「金利1%!100万円からのお申し込み!」
「毎月お小遣い!例えば1000万円をお預けの場合…」
…そんな金ねえよ!
嫌がらせか、ゴルァ!
普段、庶民(というか金のない若者?)には届かなかった情報なんだよねぇ。
まぁいらないんだけどさ。笑

そんなことを思ったのも、
この小説の中にある預金獲得大作戦!を読んだから。
万博の予定立地になった農家に、一斉にいろんな銀行員が駆けつける。
「土地の買収金は是非!当行にお預け下さい!」
そのためには、休み返上で農作業の手伝いにも行く。
病気の婆さんを、毎回病院まで送って行く。
いろんな貢物を持っていくし、
最終決定日には、夜通し駆けずり回る。
その先の運用方法やら税対策やら収入の算段までしてあげる。
まじかよ。
すごいな、銀行って……。

でもそんなことはこの小説の1シーンでしかない。

基本的にはこの小説は経済小説のようでもあるけれど
家族の話だと思う。

主人公の万俵大介(相変わらずすげえ苗字)は銀行の頭取で、
他にも製鉄会社や不動産やと、関西で一大コンツェルンを築いている。
外見は細身の冷静沈着な紳士だ。
しかし、一度家に入ると、そこは妻妾同居の世界。
愛人役の女性は、子供たちの家庭教師として万俵家にやってきたが
やがて、大介の寵を受け、
大介の狙う、閨閥を作り上げるため、
彼の子供たちの縁談を纏めるほどの力を持つ、万俵家の女執事の立場。
逆に奥さんは、華族のお姫様で、
自分では何にもできない、おっとりとした女性。

そして、優秀なエンジニアで阪神特殊鋼の専務でもある長男の鉄平。
鉄平も愛人の采配で、有力政治家の娘と結婚している。
そして、父親の銀行で働く次男の銀平。(安易な名前だ…)
彼は幼い頃、愛人の存在によって母親が自殺未遂を図ったのを見てから
どんどんと冷め切った性格になっていく。
銀平にも、有名財閥の娘との縁談が進行中だ。
そして長女の一子。
彼女は大蔵省に勤める将来官僚コースのエリート美馬中(すげ(略))と
見合い結婚。
大介は美馬に財政的援助を惜しまず、その見返りに大蔵省の動きを報告させている。
次女の二子は、総理大臣の甥との縁談が進行中。
でも二子は、鉄平の親友でエンジニアの一之瀬四々彦(何て読むのやら)と恋に落ち
閨閥結婚の真っ向から立ち向かおうとする。

まぁそんなこんなで、
全てを利用しようとする大介のやり手さ具合。
そして利用される側の人間の思惑。
思惑を持って動こうとする父親と
直情型の長男との対立。
それが金持ちならではの豪華さを背景にして
万華鏡のようだ。

とりあえず、大介という人間はかなりおもしろい。
基本的に彼は悪役だ。
悪役が主人公だ。
そして必ずしも正義は勝たない。
正義には、ある種の甘さが付きまとうから。

外(会社)の世界と、家の中の世界。
それがクロスすると、そこには対立が生まれる。
コングロマリットや、コンツェルンなんてところには
多かれ少なかれ、こういうドラマがあるのかもなぁ…。
コネやら縁やら貸し借りやらしがらみやら
ぐっちゃぐっちゃにこんがらがって。
そうやって世の中は動いているのかもしれないなぁ……
庶民の見えないところでな!笑


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4101104131華麗なる一族〈中〉
山崎 豊子

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410110414X華麗なる一族〈下〉
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この記事に対するコメント

てか阪神銀行って実在してましたが。この小説の時代は“阪神相互銀行”だったけど。阪神相互銀行→阪神銀行→大和かどっかと合併して消滅、という経過をたどったはず。口座持ってました。
かつて“ダウンタウンのごっつええ感じ”でコントに“ナニワ銀行”という実在の銀行名を出してしまいそのコントが急遽打ち切りになる、という小事件がありましたがこの小説は問題にならなかったんすかね。
SLASH | 2005/08/08 8:01 AM
あら…ほんまにあったのね。阪神銀行って。

阪神銀行がモデルとなった?かどうかは
問題にはなってないようだけど
取材拒否はあったらしいね。
この小説もそうだし、
「仮装集団」もそう。
「白い巨塔」もか。
「沈まぬ太陽」が裁判になったのかなぁ。
あれはもろ日航だもんなぁ…。
うたぎく | 2005/08/08 12:45 PM
御久しぶりです。
いやぁ、これ面白そう♪
どろどろしてるなぁ。
これは買います♪
achaco | 2005/08/10 11:46 AM
achacoちゃん

お久しぶりんこ。忙しいのん?

いや、もう山崎さんの本は
ほとんどドロドロしてて、最高ですよ。
ドロドロ、まんせー!笑
どろどろしてないとね、人じゃないから。
うたぎく | 2005/08/10 12:43 PM
かつてうちの実家のすぐ近くに
阪神銀行の支店がありました。
兵庫銀行(みどり銀行)と合併して「みなと銀行」になったはず。
この小説の「阪神銀行」のモデルとなったのはかつての神戸銀行で、
のちに太陽神戸→太陽神戸三井→さくら→三井住友
になりました。
って超地元ローカルなネタだ。
元・京都 | 2007/03/13 12:13 AM
太陽神戸三井がさくらになったのって
97年とかその辺だよね。
多分、わたしが関西に来たくらいだ。
結局喰われまくって名前すら残らず・・・みたいな笑
みなと銀行ってまだあったよね。
前、尼崎かどっかで見かけた気がするんやけど・・・

うたぎく | 2007/03/14 11:07 PM
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