地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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三島由紀夫:宴のあと

4101050163宴のあと
三島 由紀夫

新潮社 1969-07

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プライヴァシー裁判であまりにも有名になりながら、その芸術的価値については海外で最初に認められた小説。都知事候補野口雄賢と彼を支えた女性福沢かづの恋愛と政治の葛藤を描くことにより、一つの宴が終ったことの漠たる巨大な空白を象徴的に表現する。著者にとって、社会的現実を直接文学化した最初の試みであり、日本の非政治的風土を正確に観察した完成度の高い作品である。


女とお墓。
政治家がよく出入りする高級料亭のおかみさんだったかづ。
恋の話もあちこちにあって、毎日きびきび働く朗らかな女。
年齢は多分40代とか50代くらいだと思う。
そこに現れた、野口。
もの静かな外見と政治への信念を持つ彼は、他の老人達と比べて遥かに若く見え、
かづは彼に恋をする。

ささやかな恋の道を経て二人は結婚する。
ずっと独身だったかづの脳裏には、常にお墓が見えた。
親類も特にない、孤独な女。
それが、代々続く由緒ある家のお墓に入ることができる。

結婚は恋ではない。恋の延長であるけれど。
生活を共にするようになって見えてくる、あれやこれや。
活力の塊であるようなかづと、
仙人のような生活を志すような野口。
ふたりはやがて衝突するようになる。
結婚と同じくして、長年やってきた料亭を閉めたかづ。
野口に尽くそうと心がけるも、それは野口が妻に期待するような
尽くし方ではなかった。

そこに降って沸いた、野口の都知事選への出馬。
かづの参加をかたくなに拒もうとする野口の見えないところで
かづは選挙運動に関わろうとする。
かづの活力に溢れた演説は聴衆の心を打つが
野口は決していい顔をしなかった。
やがてかづは料亭の家を質に入れ、多額の資金をあちこちにばら撒きだす。

意固地なまでの男のプライドと、暴走し始めるかづ。
やがて、選挙が終わり、野口は落選。
狂騒のような選挙活動のあとに、かづの目に映った野口は、
「他の老人に比べて若々しい彼」ではなく、ただの老人でしかなかった。
地味に隠居しようと心がけ、暗に妻にもそれを求めた男の姿。

最後にかづの目に浮かぶのはやはりお墓。
このお墓に入ると思っていた。でもやはり一人きりで生きていくことを選んだ女。
中年も終わりに差しかかろうとする男女の物語。
男はあくまで理想に生きて、女は現実や感情のままに生きる。
最初はそのギャップに惹かれても、現実問題として難しいのかねぇ…。
わたしもいけいけどんどんな(?)男子は無理ってことか笑
人は自分にないものを求める、とも言うけれど。


これは当時、日本初のプライバシー裁判になった小説らしい。
つーことで調べてみた。モデルになったのは有田八郎という政治家。
ただしこれ以上の材料が今のとこ見当たらないのでなんとも?だけども。

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