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三島由紀夫:青の時代

4101050201青の時代
三島 由紀夫

新潮社 1971-07

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地方の名家に生まれた川崎誠は、父への反感を胸に徹底した合理主義者として一高、東大へと進むが、ある日大金を詐欺で失った事から今度は自分で金融会社を設立する。それはうまく行くかに思われたが……。戦後世間を賑わした光クラブ社長の自殺に至る波乱に満ちた短い生涯を素材にして、激しい自己反省癖と自意識過剰の異様で孤独な青春を描いて作者独自のシニシズムに溢れる長編。


しんどくて泣けるわ。
小さい頃からちょっと変わったおとなしい男の子。
ミシマの分身のようだ。
観念的なことばかり考えて、野放図に豪快に男らしく育てようとする
父親に心の中で反発する。
父親が尊敬してやまない大学教授になったら父親はどんな顔をするか。
そういう自意識過剰さ。
まぁ、かわいげないんだけど。

東大に入ってから、父親からもらっていた大金を
詐欺でとられてしまう。
たわいもない詐欺なんだけど、結構今でもネットや現実ではびこる詐欺。
あなたのそのお金が●年で倍になります!みたいな。
ちょっと前にも芸能人がひっかかってたよねぇ。
ロココ調のカツラかぶった人に。笑。豪華客船の旅もプレゼント!なんて。
冷静に見たらおかしいやろ!と思うんだけど。
なんでなんだろうねぇ…。

で、そこで騙された彼は、プライドを大きく傷つけられるんだけども
同じ手口で人々を騙すことを考え付く。

バーの女の子ともロクに話せない、男の子。
だけどその心の中では自己反省と自意識過剰が渦巻く。
外から見てるとうんざりするだろうなぁ。
その心から出口を探してさまよう。
どこかで開放されたい。認められたい。
表現方法を間違えて、周りの人間からも煙たがれる。

知り合った女の子は、「処女」を売りにした一風変わった女の子。
決して恋はしない。男に身を任せることもしない。
そう広言して憚らない女の子。
彼はそんな彼女に惹かれ始める。

やがてその詐欺手法も成功して、どんどんお金が転がり込んでくる。
社長となった彼は、やがて偉ぶることを覚えた。
バーに行けば、今まで自分に目もくれなかった女達が群がってくる。
欲に目のくらんだ人々は自分の手を必要としている。

そして恋する彼女も自分の秘書としてやとう。
彼女に手を出さない唯一の紳士的な男として彼は振舞うことに喜びを覚える。
彼女のお金を使った遊戯は彼のプライドをくすぐる。

田舎から心配して出てきた母親には
強引な取立てを見学させる。
泣きながら彼を説得する母親に対しても、彼は冷酷に振舞ってみせ
そんな自分に満足する。

そんな生活。

彼は自分が傷ついたことすら他人に見せなかった。

肩を叩いて、リラックスさせてくれる人がいたらよかったのに。
抱きしめて泣かせてくれる人がいればよかったのになぁ。
でも彼は最後の最期までそれを拒絶したんだろう。
もっと年齢を重ねたらラクになっていくことの数々。(開きなおるとも言う)
だからこそ「青の時代」なんだろうなぁ。
切ない。


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この記事に対するコメント

ごぶさたしてます、龍の目です。
しんどくて泣けるわ…とはズバリな表現で、
パソコンの前で頷いてしまいました。
主人公の生き急ぐはやさに、
読んでいるほうも息切れしそうな作品ですよね。
龍の目 | 2005/12/22 1:00 AM
■龍の目さん

お久しぶりです〜♪
なんかねぇ、自分のプライドで作った壁を
自分でのりこえられなくなっちゃったんだなぁと…
彼の大学時代の日々はエキサイティングで
あっという間に時間が流れたんだろうなぁ。
その一瞬で、他の人の人生分生きたのかもしれませんねぇ。

うたぎく | 2005/12/22 11:04 PM
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美徳のよろめき&青の時代 | 龍の目 | 2005/12/22 12:57 AM
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