地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
<< July 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | permalink | - | -
<< 映画:オリバー・ツイスト | main | 瀬戸内晴美:恋川 >>

三島由紀夫:サド侯爵夫人・わが友ヒットラー

サド侯爵夫人・わが友ヒットラーサド侯爵夫人・わが友ヒットラー
三島 由紀夫

新潮社 1979-04

おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


獄に繋がれたサド侯爵を待ちつづけ、庇いつづけて老いた貞淑な妻ルネを突然離婚に駆りたてたものは何か?―悪徳の名を負うて天国の裏階段をのぼったサド侯爵を六人の女性に語らせ、人間性にひそむ不可思議な謎を描いた『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)。独裁政権誕生前夜の運命的な数日間を再現し、狂気と権力の構造を浮き彫りにした『わが友ヒットラー』。三島戯曲の代表作二編を収める。


サン・フォン夫人かっこええ…。
不勉強なもので「サド侯爵」の本って読んだことないのですよ。
まぁ…名前の語感から…なんとなく想像している世界とそんなに変わらないと思うが。笑

この「サド侯爵夫人」には、サド侯爵は出てこない。
サド侯爵夫人の前では、サド侯爵は良い夫であったし
むしろサド侯爵夫人の母性本能をかきたてるような存在だったのかもしれない。
獄につながれるたび、侯爵夫人は母親から手助けを受けながら
彼を獄から解放する。
恥と悲しみに耐える母娘。

そんなサド侯爵のふるまいは、当時で言えば「悪徳」。
やがてサド侯爵は、妻をおいて逃亡の旅に出る。

6人の女たち。
サド侯爵夫人ルネ、その妹アンヌ。母親のモントルイユ夫人。
サド侯爵一家の話を聞いて右往左往するだけのシミアーヌ夫人。
そして、自らも悪徳者と謳うサン・フォン夫人。
そのお手伝いさんのシャルロット。

このサン・フォン夫人が格好いいんだなぁ。
偽悪的で。
そこに目をつけたモントルイユ夫人が、サド侯爵の件について相談すると
もう耳を覆わんかぎりのネタを次々と喋りだす。
で、こういう人らしく面倒見も良いかんじなんだけど
やっぱりこんな下世話な人に頼むなんて…とモントルイユ夫人が思ってしまうから大喧嘩。

モントルイユ夫人、というのはいわゆる「世間の目」なのかもしれない。
正義感をふりまわすような。そして多少恩着せがましいかんじ。
娘にサド侯爵との離婚も迫るし。
逆にシミアーヌ夫人っていうのは、敬虔な女性ではあるんだけど
ついついサン・フォン夫人の話に好奇心を隠せなかったり、
キャラ立ちは悪いんだけど人間っぽい。笑

この話は「サド侯爵の生涯」という本を読んだミシマが
そこに描かれていた妻ルネのキャラに興味を持って
作り上げた物語だ。

とはいえ、ルネの話よりも、
もうサン・フォン夫人の最期の死に様が格好良すぎて…。
他の話を忘れました。笑
でもこのサン・フォン夫人っていうのはミシマの創作なんだよなぁ…。

「わが友ヒットラー」はなんつうか、暑苦しい話であった。笑
ヒットラーを挟んで、相反する主義を持つ二人の男。
そしてふたりともヒトラーと仲良し。
でも裏でヒットラーは二人を邪魔に思っていて策を弄そうとする。
それに気づいた人間と
「いや!俺はヒットラーとダチだから!あいつが俺を裏切るなんて!」と思う人間。
男しか出てこないから余計に暑いんだけどさ。笑

ただその暑さが終ったあとに残る静けさが怖い物語であった。
あのヒットラー親衛隊の足音が聞こえたものー。
とはいえ、男社会では結構ありそうな話でもある。

人気blogランキングへ

三島由紀夫 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

- | permalink | - | -

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://utagiku.jugem.cc/trackback/366
この記事に対するトラックバック
BlogPeople
■古本市場■