地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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小森和子:流れるままに、愛

流れるままに、愛流れるままに、愛
小森 和子

集英社 1986-12


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菊池寛、川口松太郎、檀一雄らに愛され奔放な恋を重ねた若き頃。夫の裏切りに泣いた日々。シャーリー・マクレーン、フランク・シナトラを始めとするハリウッド・スター達との華麗で心暖まる交流。戦前から現在まで映画の中に人生の真実を見、何に対しても愛する心を持ち続ける“小森のおばちゃま”が流れるままに生きてきた波瀾の人生を綴る初の自叙伝。


おばちゃま★大暴走
小森のおばちゃまですよ。ええ。
といっても小森のおばちゃま自体ってそんなにテレビで見かけた記憶ないんだけど、
あのアップのお団子頭に、猫抱えて、
大きめのセーターにスパッツ、その姿はずっと記憶にある。
亡くなってはったんやね。
最近、気がついたら亡くなってる人って多いなぁ。
淡谷のり子とか、ギボアイコとか。

なんとなくネットサーフィンしているときに見つけたこの本。
実は小森のおばちゃまは、超過激だった!
そんなネタを仕入れれば本を探して買わずにはいられない。

いっやー、面白かった。
是非、まだ生きて、どんどんこういう話をして欲しかった!と思う。
あんまり出てないんだよね。この本とあと1〜2冊くらい。
もっと時間が経てば、マリコか誰かが評伝書いてくれそうだけど。

お姉さんと二人姉妹で、
よくできる、かわいがられるお姉さんと比較されて育った、
ちょっとひねくれてしまった子。
それがやがて映画に出会い、毎日映画館の前に立っていると
もぎりのおじさんから、タダで入れてもらえるようになる。
やがて、そのかわいがられていたお姉さんの死。
そこから家族は緩やかに崩壊し始める。

女子高生時代から不良娘、まっしぐら。
当時、東京の洋書がたくさん置いてあるある本屋には
慶応や早稲田なんかの男子学生がたくさんいた。
そこに行って本を見ていると、付文(!)がやってくる。
そしてデート。
結婚していない男女が二人でいるだけでも警察に声をかけられてしまう時代。
おばちゃまはそこで知り合ったたくさんの男子とデートをする。
理由は映画をタダで見たかったから。
そしてその男子(エリートやし、当時では一番モテ属性の強い男子達)と
ダンスホールでダンスを踊りまくり、
有名な人々にどんどん出会い、かわいがられる日々。
高校を卒業し、親に頼み込んでYWCAに通い、英語を身につける。

家を飛び出したおばちゃまは
やがて出版社でバイトをするようになり、
菊池寛と知り合う。そして、彼専属として雇われる。
家は菊池が借りてくれているホテル。
洋服や食事も全て菊池が取り揃えてくれる。
(男女の関係はなかったらしいが)
そんな恵まれた生活を送っていたけれど、調子に乗りすぎて
菊池から見捨てられる。
そこにまた拾ってくれる人がいて、今度は京都へ。
そこでもまた軽く調子に乗って、やがていたたまれなくなって
神戸へ。
神戸のバーで働いていると、今度は、タイピストの仕事で
外国商社に雇われる。
当時、まだ日本人がそんなところで働くのは珍しかった。
きれいな外人専用アパートに住み、
イギリス人の彼氏もできる。
ハイカラな生活を送っている和ちゃんは、常に男をひきつける…。
当時、父親も事業に失敗して実家ではお金がなくなっていたので
がんがん稼いでは家に仕送りをしたり、派手な生活をしたり。

たくさんの恋、結婚、浮気、不倫、離婚。

ぼんぼんだった、働くことすら意味わかってる?くらいだった旦那さんと
老いた母親を抱え、彼女は食料のない時代、孤軍奮闘する。
戦争が終ったとき(時代を考えるヒントw)、和ちゃんは40代だった。
和ちゃんは英語ができたので、翻訳の仕事を始めた。
出会ったのが淀川先生。
「あんた、昔、神戸にいたはったでしょ。わたしはよう知ってましたよ。
 映画が変わるたんびに見にきてたもの。時々は外人さん連れて、
 変な格好してはったんで、よう覚えてる。映画そんなに好きなら
 映画評論の仕事してみますか?」
そこから映画評論の仕事に飛び込み、めきめきと目立ち始める。
当然のように旦那とはすれ違い始め、やがて離婚。

そしてスクリーンでの、ジェームス・ディーンとの出会い。彼の死。
家族の愛情を求めてさまよう映画の中での彼の姿が自分とかぶり、
まるで、息子を見ているような気持ちになっていった和ちゃん。
「お墓参りに行こう!」そう決意すると
彼女の元にたくさんのお金が集まってきた。
それを握り締めて、彼女は飛行機に乗る。
50代にして初めての海外旅行。
たくさんのハリウッドスター達。そして日本の著名人たち。
その旅行記だけでも1冊書けるんじゃないかと思う、華やかな日々。

もちろん、合間合間には苦しいこともつらいこともたくさんあったと思うけど
本当に華やかでにぎやかで、楽しい人生だったんだろうなぁ、と思う。
最初こういう話を知ったとき
「ええっ!?あのおばちゃまがMMK?(モテテモテテコマッチャウ)」と思っていたのだが。笑
だけど、戦前に、あの大きな口で笑い、
ダイナミックにダンスを踊り、英語をあやつる姿は、
多分、誰の目から見ても新鮮で衝撃的な姿だったんだろうなぁと思う。
一緒にいたら楽しそうだ、多分、皆そう思ったんだろう。
生命力がはじけ、輝かんばかりだったんだろうなぁ。
戦前にはあるまじき(笑)、さっさと処女を失い、
次々と男と寝まくるわ、男出入りは耐えないわ、で、
当時の良識ある人々(!)にとっては、ありえない存在だったのかもしれないけれど。
当時の最先端(?)の人々の心を掴んでやまない存在だったんだろうなぁ。

いやー、ほんまに面白かった。
このテの本ではかなりの大ヒットでございます。


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