地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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花村萬月:眠り猫

眠り猫眠り猫
花村 萬月

新潮社 2004-01

おすすめ平均

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私立探偵、なのだという。だが村上冴子の眼の前にいるのは、かなり変わった二人組だ。元刑事の“眠り猫”こと仁賀丈太、相棒で元ヤクザの長田勲。人生の裏を見られるかもしれない―。猫のたったひとつの殺し文句で、女優の道を捨てた冴子は探偵助手となった。やがて、暴力団の激しい抗争に飲みこまれる事も知らずに。作家花村万月の名を世に轟かせた、超一級のエンタテインメント。


いい女ってなによー
萬月さんの書く男は、別に男前でもなんでもないのに
魅力に溢れて(?)皆をとりこにする、という設定なのに
出てくる女子は、みんな超美人だというのはどういうことよ。
やっぱきれいな女子はアイコンとして必要なのか?
男子はやっぱり視覚が大部分なのか!?
…と時に悩ましい気持ちになる。

つーことで、冴子さんは超美人なんだそうな。
そして、今までは心から震えるような恋をしたことがなかったのに
この二人に出会うと、心が震えるんだそうな。
萬月さんの書く「美人」は、大体がツンとしたかんじの美人で
スレンダーなのに胸と腰はちゃんと張っていて、
体毛はほとんどなく、体臭もほとんどなく
表情によっては猫のような皺がよるらしいです。わかるようでわからん。

そんな冴子さんを巻き込んだ、「眠り猫」こと仁賀丈太。
彼は、結構愛すべきキャラクターだ。相変わらずハチャメチャではあるけれど。
母性本能をくすぐってしまうタイプだということはわかる。
萬月さんの本では珍しいくらい、わかりやすく描写されてる。
これは冴子さんの目線で描写されているからだろうけど。

スナックでバイトしてた冴子を、この二人組はおとりとして使おうとする。
女優なんだから、色々と演じてみてくれるか?と。
悪者(?)に近づいたりさせる。

最初は、ヤクザの姐さんの浮気調査だった。
だけど話は、こんがらがり、ヤクザ同士の抗争にまで発展する。
覚醒剤に絡んだ抗争。
元ヤクザの長田は、それに首を突っ込み、巻き込まれていく。
抗争の地には、長田の別れた奥さんがいたから。
眠り猫と、冴子、そして猫の息子のタケは3人でその地へ向かう。
新潟の小さな町。

元刑事だった猫の動きが面白い。
警察ともヤクザとも顔が利く。
どちらにもすいすいと身を寄せるように近づいていく。
猫に言わせると、どちらも暴力機関であることには変わりがない。
「自分の身を守るのに、他人の力を借りるのは奴隷の発想だ」
普段はちゃらんぽらんな、ダメオヤジのような猫は
時に、至言を吐く。

そして息子のタケが妙にかわいい。
猫に似ず、超美少年で、金髪でバイクを転がす不良。
父親にも毒づくけれど、無邪気だ。
長田と入れ替わるようにして途中から出てくるけれど
彼が出てくるシーンはやっぱりほっとする。

冴子の目線は、やっぱり惚れた男のいる世界を見る目線でしかないし、
他の登場人物だって暴力やらヤクザやら覚醒剤やら(笑)で
はちゃめちゃになってしまっているんだけど、
タケの目線だけは、普通の反応をするから。
だけど、ちゃんと猫の息子だけあって肝は据わってる。

猫と猫の息子。
この二人のコンビは魅力的だなぁ。
今回は、女子が惹かれるのがわかるような気がするなぁ。

萬月さんの書く話は、ラストが素敵だ。
事件は決してハッピーエンドで終るわけじゃない。
だけど、あー、そういう終り方するのか…と思う。
長田の別れた奥さんの、最後のシーンもすごくいいなぁ。

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