地味な女子の読書とか映画とか。

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花村萬月:父の文章教室

父の文章教室父の文章教室
花村 萬月

集英社 2004-12

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五歳のころ、放浪癖のあった父親と同居することになり、程なく、花村少年の地獄の日々がはじまった。『モルグ街の殺人事件』を皮切りに、古今東西の古典を読まされる毎日。飽きる素振りをみせれば、すぐさま拳が飛んできた―。四年にわたる狂気の英才教育の結果、岩波文庫の意味を解する異能児へと変貌した小学生は、父の死後は糸の切れた凧となり、非行のすえに児童福祉施設へと収容された。以来、まともに学校に通った記憶がない。本書は、芥川賞作家・花村萬月が、これまでの人生で唯一受けた教育の記憶をたどり、己の身体に刻み込まれた「文章作法」の源泉に向きあった、初の本格的自伝である。


やらしいなぁ、おい。
萬月さんの本の新しいものはほとんど読めてなく
この本は、わたしの読んだ中では比較的新しい本。
というか、今までのは再読だったんだけど
これはこないだ買って、こないだ読んだ。初めて。
とはいえ、2年くらい前の本か。

えーと。
萬月さんの他の本を読んでない人には多分つらすぎると思う。
これ、新書のくせに(?)なぜか雑誌で連載されてたのね?
しかも「青春と読書」というタイトルでどう反応していいかわからん雑誌に。
どんな人が読んでんだろう。「青春と読書」・・・。
よくわからないんだけれども、作家志望の人とか??
「文章作法」というタイトルを決めたのは、編集者の人だったらしいけれども
その時点で怪しすぎるだろう。笑

萬月さんの本を読んでないとつらすぎる、というのは
今でこそ(?)芥川賞作家で本はハードカヴァだったりするけれども
昔はノベルズの頃から、そこはかとなく書いていた萬月さんのモノの考え方や
倫理観?そういうのがオブラートに包まずに
だーーーっと書き連ねてあるからです。
しかも純度を増してるせいか、老練されたからかよくわからんが
いやらしいんだよなぁ、書き方がさぁ。誰に向かって語りかけてるのかわかんないけど。
だからそれが耐えられない人には無理かも。
わたしも途中で「いい加減にしたらー」と思う部分もあったりしたから。

あらすじにも載ってるけれど
萬月さんのお父さんは、子供だった萬月さんに
常識では(?)考えられないような教育方法を始めた。
それは教育というよりもは、自分の玩具を作るような方法だったかもしれない。
どこかで見かけた批評では、
「早期教育の是非が!虐待が!」という論調だったけれども
それは全く見当違いではないかに?と思いました。
確かに父親はどうしようもない人間だったかもしれんが
昔の教養人ってこういうんだったんだなぁと思う。
知識の量が半端じゃないし(というよりも現代と必要とする知識が違うんだろうけど)
何かを貫き通すダンディズムと言ったら褒めすぎかもしれないけど
それも興味深い。
そして、その父親に精一杯応えた萬月少年。
たった4年の短い間、短い間だったからこそ成り立つ蜜月。
萬月さんは、その蜜月を語っただけだ。
蜜月と、蜜月がもたらした作用と。
そこに流れるのは、あくまで愛情であり、
虐待でも、英才教育でもなんでもない。
萬月さんが、いろんな小説で書き続ける家族の一つの形だ。

本の中にキリスト教の話が出てくる。
良いことは隠れてしなさい。神様だけが見ていたらええんや、という話。
人前で良いことをしているのを誇示したりすんのは偽善やと。
それはそれでそうやと思うのでいいんですが
行き過ぎて偽悪的になるのはどないやねん、とわたくしは思うのです。
偽悪的と偽善的は紙一重であり
偽悪的に振舞う人間には「でもな、うちの中の隠された良いとこ見て欲しいねん」
という匂いも感じます。
不良少年が、実はピュアで・・・みたいな胡散臭さといいますか。
だから、萬月さんが、
「お恥ずかしい話ですが昔は覚醒剤にも手を出しまして、
 今でも本はほとんど読まず、口を開けば下ネタばかりで・・・」とか書きながら
哲学書の名前を軽々しく書くところがなーんかやーらしーと思うのです。
「もちろん、作家になりたいと思われる諸兄はこんな本は読まれていると思いますが」
「あなた方が語るくだらない話を私は大変興味深く聞くのです。話の内容ではなく
 そういう人間に興味を持ち・・・」
なんて書いてんのを読むといやらしすぎて反吐がでそう。笑
しかも、どこからも突っ込まれない、
突っ込まれても逃げ道をいくらでも用意してんだろうなぁ・・・と思われる
完璧な(多少回りくどいが)文章で。
子供の頃の話にしても、他人の分析を受ける前に自分で先に分析してしまうところとかね。
自己完結して、好ましくない他人は拒否してるよなぁとw

とはいえ、10代の前半で山田詠美さんの洗礼(?)を浴びているわたしにとっては
なじみの深い論理展開でもあるのでw読んでて面白かったです。
(この二人の論理?倫理?は良く似ている)
久しぶりにこういうの読んだ気がする。懐かしいというか。
詠美さんも、何かの事象について、
自分の中で答え(オチ?)がつくまで、延々とこねくり回して考えるって
どっかで書いてたような・・・。それに近い。
自己完結と言えば乱暴すぎるけれど。
そしてそれはとてもよくわかるのだけど、
(テレビの話なんて特にな)
一般社会(?)ではちょっと生き難いよ(ノД`)・゚・




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花村萬月 | permalink | comments(8) | trackbacks(1)

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この記事に対するコメント

久しぶりに荒らしに来たよ(。・ω・)ノ゙
うたさんが、寂しがっているのではないかと思ってねwww

>これ、新書のくせに(?)なぜか雑誌で連載されてたのね?
そういうの、たまにあるみたいだよ。何だか“手抜き本”といった感じで嫌だけどね。

>どんな人が読んでんだろう。「青春と読書」・・・。
そんな雑誌が存在したのか( ゚д゚)ポカーン
50年くらい前だったら売れているたかも。

>そこに流れるのは、あくまで愛情であり、
>虐待でも、英才教育でもなんでもない。
十分、虐待だと思うよ(-_-;)
なぜか『戸塚ヨットスクール』を連想してしまった。
しんぽ。シンポ。進歩。。。
これは僕の勝手な想像だから、サラッと読み流してほしいのだけど、この異常な父親にも愛情がなかったわけではないと思う。でも、愛情があるならそれは虐待ではない、とは言えないのではないかな?なぜなら、そこに体罰(虐待?)を受ける側である子供の視点が欠けているからだ。
幼児期の過度の体罰は、非行や精神疾患の引き金になるケースが多いと聞く。著者のケースは例外と考えた方がいいと思うよ。

>偽悪的と偽善的は紙一重であり
僕ね。抽象的な話は苦手なの(ノД`)シクシク
これを理解するのに、30秒くらい考えてしまった。読解力不足がいまだに克服できてない証拠だね。

>なんて書いてんのを読むといやらしすぎて反吐がでそう。笑
確かにいやらしいな(-_-;)
リアルでこんな奴がいたら、一発ひっぱたいていると思う。ワシは気が短いのじゃ!

>一般社会(?)ではちょっと生き難いよ(ノД`)・゚・
ちょっとどころの話でねーべ。田舎で生活したなら完全に村八分だな。

デミアン | 2006/05/31 7:05 AM
■デミアンさん

>久しぶりに荒らしに来たよ(。・ω・)ノ゙
うたさんが、寂しがっているのではないかと思ってねwww

最近、餌撒いてないから。笑
餌撒けてないなぁというのが悩みで・・・
それはさておき、なかなかデミアンさんのブログにはコメントしづらいのである。
デミアンさん、SLASHさん、綾っぺの3人が超古株でございます。
できるだけ皆様が食いつけるネタを・・・

>>そこに流れるのは、あくまで愛情であり、
>虐待でも、英才教育でもなんでもない。
十分、虐待だと思うよ(-_-;)

この辺ってほんまわからんのやわ。
確かにニュースになる家庭での虐待ネタなんかは
「そりゃあ虐待やわー」と思うけどさ。
かといって、
手を上げること=虐待でもない、とも思うのね。
最後は、その当事者二人の関係性の世界になるし
そりゃあ千差万別だろうなと思うの。
高校生まではよく先生が男子生徒殴ってたしさ。笑

>>偽悪的と偽善的は紙一重であり
僕ね。抽象的な話は苦手なの(ノД`)シクシク

わかった?w
偽という漢字がつく意味ではどっちもどっちなんだよねぇ。
敢えて偽悪的に振舞うのは(敢えて偽善っていうのはないだろうからさ)無意識の偽善とどう違うのか、と。
そう受け取ってくれる相手がいて、はじめて偽悪的の意図(なんてやらしいの!)は成り立つのでは?と思ったのでございます。

うたぎく@酔っ払い | 2006/05/31 11:50 PM
こんにちは♪

>なかなかデミアンさんのブログにはコメントしづらいのである
そりゃそうだろー。
自分のブログのことをこういうのもなんだけど、あれに「コメントしやすい」と思う人間は変な人だと思うw
事実、何度かコメントしてくれた人の中には、「リアルではコイツと付き合いたくないな」と思った人もいた。あまり大きい声では言えないけどね(^_^;)
デミアン | 2006/06/02 11:54 AM

>自分のブログのことをこういうのもなんだけど、あれに「コメントしやすい」と思う人間は変な人だと思うw
事実、何度かコメントしてくれた人の中には、「リアルではコイツと付き合いたくないな」と思った人もいた。あまり大きい声では言えないけどね(^_^;)

なんやそれwww

自分のブログのときと
うちにコメントくれるときと
デミアンさんキャラ違うし、
「でへー」とかコメント欄に書いたら
人格疑われそうやし。笑

2年やってると、
昔コメントくれてた方とかどこ行ったんやろなぁと思うときがある。
大抵みんな、ブログも閉じちゃったしさー
まー、うちもあんまりコメント書きやすいブログちゃうからなぁ・・・
うたぎく | 2006/06/03 2:14 PM
こんばんみぃ

>デミアンさんキャラ違うし
あのブログはもうキャラの変えようがないんだ。一つの「色」ができてしまったから、今後もあのままでいく。
読者に飽きられてしまったり、更新するのが面倒になったらそれまで。

>「でへー」とかコメント欄に書いたら
>人格疑われそうやし。笑
そうかい?おおらかで非常にいいと思うが。
所詮は個人のブログだよ。

>大抵みんな、ブログも閉じちゃったしさー
やっぱりそうか・・・。ブログそのものは簡単なんだけど、面白さを感じなければ継続するのは難しいだろうね。
ブログを続けていく動機の一つに、訪問者からのコメントがあると思うけど、今はあまりにもブログ数が多くなって、1〜2年前と状況がまったく違う。コメントをもらう以前に、アクセスしてもらえるかどうかという問題がある。
アクセスしてもらうために、記事数を増やして、SEO対策もやるとなったら、かなりの労力が要る。
何事も後発組は厳しいね。早めにやっておいてよかった(笑)
デミアン | 2006/06/03 11:08 PM
こんばんみー

>ブログを続けていく動機の一つに、訪問者からのコメントがあると思うけど、今はあまりにもブログ数が多くなって、1〜2年前と状況がまったく違う。

ほんまびっくりするくらいみんなやってるよねぇ。
とはいえ、逆に全く知らない人々(うちの会社の人らとかな!)もいたりして
そのギャップに時々驚くわ・・・。
それにしても、みんな無防備に色々書いてるなぁと思うよ・・・。
あの頃から始めて、一度も引越ししたり閉じたりせずにやってんのってどんだけいるんだろうと思う。

>アクセスしてもらうために、記事数を増やして、SEO対策もやるとなったら、かなりの労力が要る。

うーん、アクセスして欲しい!と熱烈に思うんだったらそうなんだろうなぁ…。
わたしは流れるままに・・・。
JUGEMはSEOに何故か強いらしく
うまいこと検索にひっかかってくれるんやけどなー

>何事も後発組は厳しいね。早めにやっておいてよかった(笑)

あとはほそーく長く続けることに意義を。

うたぎく | 2006/06/05 12:49 AM
なかなかローカルっぽい話題を
繰り広げてるのね(笑)
;がんばってちょ


でも…苦手なのよねえ…

芥川賞作家って…
馬の尻 | 2006/06/09 11:38 AM
馬の尻さん

>なかなかローカルっぽい話題を
繰り広げてるのね

笑。
コメント欄は脱線の塊です。

この人ねぇ、芥川賞作家なんだけど
エンターテイメント書ける人だから。
普通に読みやすいお話書くよ。
本によるけど・・・

うたぎく | 2006/06/11 12:07 AM
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