地味な女子の読書とか映画とか。

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淀川長治:淀川長治自伝

淀川長治自伝 (上)淀川長治自伝 (上)
淀川 長治

中央公論社 1985-06


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淀川長治自伝 (下)淀川長治自伝 (下)
淀川 長治

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四歳で活動写真の魅力にとりつかれ、小中学時代から「浴びるほど」映画を観続けて75年。サイレント・トーキー・総天然色・ワイド・・・と映画の発展とともに歩んだ”淀長サン”が、驚くべき記憶力を駆使して記す感動の映画史的自伝


その記憶力が欲しい!
小森のおばちゃまの本を読んだときも思ったけど
この大正〜昭和、それから高度成長期。この時代の話はほんまおもしろい。
で、おばちゃまの本で淀川さんの話(淀川さんのおうちは芸者屋さんやったとか)
出てくるので読むしかないっしょー、と、マーケットプレイスでご購入。
(もはや絶版なのだろうか・・・)

とりあえず圧倒的な映画の話。
自伝、というよりもむしろ映画の話。
子供時代の話でも、家族で何の映画を見に行った。
あれがあったのはあの映画を見た年だから・・・と何を振り返るのも
映画が中心。
しかも、昔の映画って残ってないんだよ。
洋画だったら有名どころだと残ってるのかもしれないけれど、
フィルムは7年で焼いてしまう決まりがある・・・とか、
もちろん戦争で焼けちゃうこともあったし。
つまり、昔になればなるほど、資料は何ひとつ残っていない映画がある。
もうどうやっても見ることのできない映画。
人々の記憶の中にしか残っていない映画。
そんな映画達をくるくるとインデックスのように引き出す。
セリフまわし、そのシーン、その俳優の表情まで
10分前に見たかのように文章の中で再現してみせる。
映画が一番の娯楽だった時代。
子供向けなんかじゃない、オトナの映画でも
家族全員で見にいく時代。

そんだけ映画のシャワーを浴び、映画が大好きで
映画を形作るものが全部大好きで、全部記憶にとどめて。
それが仕事になった。
俳優のインタビューのときにも
「あなたは何十年前に××という映画に端役で出ていましたね?
 あの役は最高だったなぁ」なんて
話を普通にふれる人間なんてそういない。
しかもちょっと前まではビデオすらない時代だったんだから。
それを記憶にとどめてくれている人間に対して、スターは心を開く。

なーんでこんなに記憶力があるのかなぁ。昔の人って。
何度も見に行ったのか?
それとも、やっぱり現代は情報過多なのか?
それともわたしの集中力の問題か??

神戸という、洒落た町の、置屋の一家。
三味線の音が毎日響き、小さな少年は芸者衆のよい遊び相手になる。
家族は、旅行に出かけ、映画を見る。
派手で、豊かな家族。
この、淀川さんのお姉さんも逞しいキャラクターでおもしろい。
やがて、家の没落とともに家族の間にも色んなきしみが出てくるんだけれど
子供時代をこういう環境(人生に余裕があるかんじ?)に育つと、
おもしろい人間が育つんだなぁと思う。
淀川さんなんて、人として最強におもしろい人だと思うもの。

自伝の中には、今の映画に対する考えなんかもあって興味深い。
洋画の邦題のつけ方にも難癖をつけたりする。
そして自分がつけた邦題でヒットした話もある。
映画の業界。そして映画批評の業界。映画会社の話。
まだ競争らしい競争もなく、みんなが手探りだった時代。
昔々の物語。
淀川さんが亡くなったときに、何かは終ったんだろうなぁ。
それ以降、誰がいる?(わたしが知らんだけか?)

あ、淀川さんのホモ疑惑は、この本の中で本人が否定してましたw
結婚適齢期に映画の仕事で忙殺され、戦争があって
更に父母まで養って、そんな暇あるかいな、という弁でございます。


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この記事に対するコメント

うたぎくさん


 昼休みの気まぐれに、初めてコメントさせていただきます。

 私も子供のころから映画をたくさん観てきましたが、趣味が偏っているせいか、なかなか心の中に残る映画はありませんでした。趣味に合わないところが少しでもあると、まるで何かのアレルギーみたいに、他の良いところにも目がいかなくなってしまうのですね。残念なことだとは思うんですが。

 淀川さんという方は、もちろん私はお会いしたわけでもないのですが、むしろその逆の観方をしていたように私は思います。どんな映画でも、良いところを見つけて心から素直にそれに感動できる、それって人間として素晴らしいことだと思います。個人的にもとても羨ましいです。

 またいつか、ああいう映画評論家が出てきてくれることを願います。 
Evans | 2006/06/16 1:05 PM
Evansさん

>。趣味に合わないところが少しでもあると、まるで何かのアレルギーみたいに、他の良いところにも目がいかなくなってしまうのですね。残念なことだとは思うんですが。

ぐはぁ!あたしもー。
映画に限らず、なんでもそう。
人に対してもそうだもんなぁ。
良くないクセである。

>どんな映画でも、良いところを見つけて心から素直にそれに感動できる

淀川さんって見た映画は絶対褒めるんだって。
で、淀川さんの話のほうがおもしろくて
実際の映画はほんまはつまらなかったりwすることがよくあるらしい。
いやぁ、見習いたい・・・
ほんとに人間として上等だと思う。
ま、なんでもかんでも褒める人も怖いですけどね・・・褒め殺しかと思う。←ゆがんだ人間

>昼休みの気まぐれに

気まぐれとおっしゃらず、何度でも〜
お待ちしております故。



うたぎく | 2006/06/17 11:40 PM
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