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東野圭吾:白夜行

白夜行白夜行
東野 圭吾

集英社 2002-05

おすすめ平均

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19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。絶望の白い光の中、魂の荒野を行く男と女を、叙事詩的スケールで描く傑作ミステリー長篇。

どう見ても富小路公子です。
主人公の少女はどう読んでも富小路公子さんです。まああ。
最初の方は、章が変わるたびに新しい登場人物が出てきて
半分以上わかんないまま、そして途中から出てくるパソコン関係の進化具合の記述
(弁当箱のようなフロッピーやカセットテープで記録する・・なんて新鮮!)や
若干裏犯罪っぽいような男子たちの行動が面白くて読んでいたのだけど。
主人公の二人、雪穂ちゃんと亮司くんの姿もそれぞれの章の主人公(語り手?)の中に
紛れ込んであんまり濃い色を見せない。
それがオトナになるにつれ、だんだん色が濃くなっていく。
それは普通の男女であるはずの二人に闇の色が纏い始めてから。
そしてそれに気づく少数の人間がいたから。

とはいえ、
読んでいる間は面白くて、どんどん読み進むんだけど
読み終わったあと、( ゚д゚)ポカーン、な気分が消えない。
あんまりにも色んな小さな事件をばら撒きすぎて、
最初の頃の質屋殺人事件なんて忘れたよ!というくらいで
ようやく話が戻ってくる。
・・・というか、質屋殺人事件なんてどうでもいいんじゃ・・・。
たとえ、雪穂ちゃんが少女売春をさせられてたとしても
その相手が亮司くんの親父だったとしても
いや、ほんまやったらそれだけで一つの物語ができるはずなのに
全てがうすーくなっちゃうんだよなぁ。
小学生の頃がどんな悲惨であれ、オトナになるまでにこんな様々なエピソードを
積み重ねる理由にならんだろう。
この二人の関係も、最後の最後でしかクロスしない。
雪穂ちゃんから見えないところで、亮司は見守って、手助けしていたんだ・・・!
・・・ってなんでだよ。
あまりにもクロスしなさすぎで見えないよ。

悪女について」と同じで、周りの人々が語るエピソード、と
事件を追う刑事さんの立場でしか物語が語られない。
だから、(当たり前といえば当たり前だけど)肝心なところが見えない。
あの話はどうなったの?あんなことしてたのはなんで?あの大金はどこから?
結局なんで二人はこんなキャラに・・・??
そんな本来なら二人が語らなければならない姿が見えない。
いや、真実に近づく人間は消されてしまうんか?
ま、雪穂ちゃんみたいな女の一人称語り小説なんてのもある意味怖いけどさ。
全体に散らばる細かい伏線が、次々と繋がっていくような
そういうミステリー(なのか?)の醍醐味が全くない。

でもねー、多分、一番知りたいのはそこなんだよなぁ。
別にこの小説のラスト(質屋事件の真実)を読んで暗い気持ちにはならなかった。
なぜなら、それ自体も事実として断定できてないから。
それも可能性のひとつでしかないから。

・・・となるとこの本は結局何が言いたいのかさっぱりわからないよなぁ。
ミステリというには散漫すぎるし
悲惨な子供達がオトナになったら犯罪に・・・!という割には
二人の子供は逞しすぎるし。笑

最後、背筋を伸ばしてまっすぐ歩く、冷たい雪穂ちゃんの姿の方が
逞しくていいなぁと思う。
松本清張の小説であれば、どんなに悪知恵が働く女でも
最後は女の浅はかさ(んな馬鹿なというレベルでも)で自滅する。
富小路公子であれば、最後には殺されてしまう。
でも雪穂ちゃんは堂々と生き残る。
生き残った先に何があるのかはわかんないけどさ。
亮司くんの死体を見て「知らない人です」と言い放てる雪穂ちゃんの
その後のストーリーが読みたい。
何が彼女をここまで育てたのかも知りたい。
・・・いや・・・亮司くんの縁の下物語も読みたいけどさ・・・か、かわいそうに・・・


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この記事に対するコメント

うたぎくさん、こんにちは。

白夜行・・・・はっ!読まなきゃ!!
同僚に借りて3ページくらい読んで、ほうり投げて数ヶ月だわ!

東野圭吾の別の作品を読んだことがありますが、
最後に「あなたは誰が犯人だと思います?3択!ヒント無!」
というラストに、床に本を叩きつけましたね。(心のイメージ)
万葉の推理能力の問題かも知れませんが、
友人も同じ行動をしたそうです。(笑)

もちろんミステリーには「判断は読者にお任せします」という作品もありますが、
そういうジャンルにしては暗示も複線もいまいちで、
「読者に失礼な作者だな」と遠ざかりました。
でも、うたさんと感想を言い合うために、頑張って読もうかな。(笑)
ドラマも少し見たし、行けるはず・・・。

「白夜行」の続編と言うべき「幻夜」という作品があるそうですよ。
さらにパワーアップした雪穂ちゃんっぽい女の子が出てくるそうです。
万葉の君 | 2006/08/18 9:32 AM
万葉さん、こんにちわー

白夜行、最初の方ってほんまつまらんもんねぇ。
真ん中くらいからは、前のエピソードに出てくるたくさんの人たちが再登場してきて
そのくらいになると馴染みが出てくるので
面白くなると思いますわー

実は東野圭吾の本って初めて読んだのよー。
本によって、評価が思い切りわかれる作家さんのようで・・・
何冊かまとめて手に入れたので
追々読んでいきます★
うたぎく | 2006/08/19 7:14 PM
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