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三浦亜紀:となり町戦争

となり町戦争となり町戦争
三崎 亜記

集英社 2004-12

おすすめ平均

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ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。

怖いのは戦争より。
「となり町との戦争」を知っているのは多分、少人数だ。
会社の同僚達も戦争が起きていることなんて知らないんじゃないか。
特に物々しい動きもなく、毎日は平凡に過ぎていく。
目の前で人が死ぬわけでも、銃声が聞こえるわけでもなく。
ただ、市の広報誌の、人口増減の欄で
死者15名(内戦死者10名)なんて書いてある。
いつ、どこで、どのように人が死んでるのかなんてわかんない。

そんな日常に突然、町役場から敵地偵察を任ぜられる。
となり町との戦争担当部署の係りである香坂さんという女性に連れられ
主人公はなんとなく、見えない戦争に足を踏み入れる。

あくまでも、戦争の姿は見えない。
見えるのは、町役場のいわゆる「役場仕事」の姿だ。
決められた手順、それは時にまどろっこしいほどの手順を踏む。
その権化のようにも見える香坂さんと主人公は
偽装結婚をして、となり町に潜入する。

役所で使う、たくさんの書類が本文中に出てくる。
その下のほうには丁寧に「この用紙は100%再生紙を使用しています」なんて書いてある。
まるで、書類だけで戦争をやっているみたいだ。
多分、今の時代に戦争が始まれば、
100%再生紙の召集令状とか来たりするのかなぁ。
そして役所の流れに基づいて、健康診断を受けたり、
帰還後の保証とか、戦死した場合の保証とか、こまごまと決められるんだろうなぁ。

・・・と思ったりするんだけど

実際の物語は軽い。淡々としている。
わざと淡々としているのか、村上春樹系列(読んだことないから知らん)のせいか。
主人公の、「なんだかわからない苦悩」のようなものはわからなくはないけど
なんとなく心を打たないし、
香坂さんのキャラなんてわかるようで、最後までわからんまんまだ。
なんなんだ、あの女は。わざとか。

となり町からの脱出シーンだけが、いきなり冒険物語のようで
迫力があったけど、ただそれだけ。
わからないままに戦争は始まって、気がついたら終ってる。
そして、静かに何人かの人間が死んで、またいつもと変わらない日々が始まる。
結局、戦争の理由なんて香坂さんの説明聞いたってさっぱりだ。

実際もそんなものなのかもしれないけど。
戦争中だって(多少不便でも)普通の生活してるとこもあったってことは
わかるんだけどさ。

アイデア自体は面白いし、書き方も私にとっては新鮮だったので
もうちょっと濃く話作っても良かったのになぁと思う。
なんとなく人と人との間に変に距離があるんだよ。
主人公と香坂さんにしても。主人公の上司にしても。
フィギュアっぽいというか。
そっちの方がこえーよ。
なんなんだよ、香坂さん。
なんでいきなり夜中にまたがったり
お洒落してデートに来たりするんだよー
作家別「ま」行 | permalink | comments(4) | trackbacks(2)

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この記事に対するコメント

はじめまして。私も最近これ、読みました。なんか、龍(設定)と春樹(人物達)のブレンドみたいですよね。ちょっと物足りなかったなぁー・・。(冒頭で、戦争のお知らせが来たとき、主人公がまず、通勤「路」の心配をしているあたりで、すでにちょっと共感ができなくて。汗)

「バスジャック」はもう少し評判が高そうですね。読んでみようかな。
ぺんぺん | 2006/10/01 1:32 AM
■ぺんぺんさん

初めまして。コメントありがとうございます。
ぺんぺんさんが書かれてた「半島を出よ」もこういうタイプの小説なんですね・・・?

そう、なんか全然共感できなかったんですよねぇ。
会社の人たちが戦争のこと全く知らなかったり。
逆にとなり町は町をあげて戦争に盛り上がってて
となり町の方がなんとなく親しみを持ちましたよ。笑

またきてくださいねー
うたぎく | 2006/10/01 11:06 PM
お返事ありがとうございます。あと、TBも!そうですね。「半島を出よ」は確かに雰囲気が似てるんですが、ぜんぜん臨場感が違います。

ありえない話なのに、妙にリアル。ある意味、読後感もいいのでオススメです。ちょっと長いですが、「ええっ!どうなっちゃうの?どうなっちゃうの?」と思ううちに、あっというまに読めますよ。
ぺんぺん | 2006/10/01 11:37 PM
ぺんぺんさん、こんにちはー

なるほど。龍の本でハラハラするのって
ある意味めずらしいかも。笑
この三浦亜紀って人のことを
とある書評で「春樹チルドレン」って書いてあって、
春樹を読んだことがない(というより10ページで挫折)けれど
あー、春樹ってこういうかんじだから
わたし近寄れないんだなぁと思った笑
でも読めなくはないってこともわかったけど。

半島、図書館かブクオフで探してみます。

うたぎく | 2006/10/02 11:31 PM
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ある日、突然、あなたの町の広報誌に、あなたの家に届いたあなたの町の広報誌に、こんなものが掲載されていたら、どうしますか?? 「となり町戦争」 三崎亜記 単行本: 196ページ 出版社: 集英
【となり町戦争】(龍+春樹)÷2=亜記?? | GO TO ×××! | 2006/10/01 1:37 AM
となり町戦争 僕の趣味が読書だと言うと、多くの人に、 え~見えない~、 と言われる。 しまいには、漫画かエロイちょっと大人な本だとさえ言われるしまつ。 これが僕に対する、周囲の反応。 みなさんは、戦争については、どう反応するか。 僕なら、無関係の人々も、
『となり町戦争』 三崎亜紀 | 枯れないように水をやろう | 2006/11/04 1:48 PM
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