地味な女子の読書とか映画とか。

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「ドリアン・ドリアン」

ドリアンドリアンドリアンドリアン
ドリス・ヤン テイン・ムック ティン・サムファ

パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2002-11-22

おすすめ平均

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香港インイペンデント映画の雄フルーツ・チャン監督が描く繊細なヒロイン映画。中国東北部の農村・牡丹江から香港へ出稼ぎにやってきたイェン(チン・ハイルー)は、路地裏で自らの身体を売ってエネルギッシュに稼いで稼ぎまくる。そして就労ビザの期限が切れ、大金を手に故郷へと帰っていくが…。


牡丹江のあの景色ったら!!!
前半の舞台は香港。
香港に出稼ぎにやってきたイェン。毎日、毎晩、売春に励む。
小さなホテルの一室から、売春の事務所(というかたまり場?)に
行き、そこから客の待つ部屋へ行く。
休みなく、ただそれだけの日々。
それから、深センからやってきた不法滞在の家族。
父親だけが香港の居住権を持ち、香港で稼いでは深センに帰る生活だったが
思い立って、妻と子供達を香港に密航させる。
深センでの広い家と、香港での1部屋にぎゅうぎゅうになって暮らす姿の
対比がすごく印象的だ。
転がる香港に・・・」を読んだから余計にねぇ。

この密航の少女(小学生くらい)と、イェン。
彼女達は、その狭い路地裏でクロスする。
警察がやってくれば身を隠すのはお互い様だ。
何故かイェンのあとをつけている若い青年。
ある日、その青年は背後からドリアンで殴られる。
それに気がついたイェン。その一部始終を見ていた少女。
やがて、ちょっとした二人の交流が始まる。

出身地はどこか?と客に聞かれるたび、
「天津よ」「上海よ」と答えていたイェン。
けど、少女には「牡丹江よ」と本当のことを言う。
「もうすぐ家に帰るの。だから手紙を書いて」と住所を教えて。

ビザの期間は3ヶ月。
その間にイェンは稼げるだけ稼いで、実家に帰る。
香港の街ではノースリーブのワンピース、プラダのリュックにナイキのスニーカーだった
イェン。
帰った牡丹江は一面の銀世界。
大きな川が凍り、その上をソリのような小さなトラックがタクシーのように走る。
両岸には建物の影が見えるけれど、
ただただ凍った川面は夕日を照り返す。
白い世界に、イェンの真っ赤なダウンコートが映える。

南方で稼いで帰ってきた娘。
そう牡丹江では歓迎される。
何をして稼いできたか、そんなこと誰も知らずに
イェンの成功(?)を喜び、うらやむ人たち。
「うちの娘も南に連れてってよ」そういう親戚に口ごもるイェン。
そして通帳の多額のお金で何をするか、彼女は模索し始める。
何年も続けた京劇も何の役にもたたなかった。
実はイェンは結婚していたけれど、その相手とも離婚する。
京劇学校の友人達と、思い出の校舎を見に行ったり(この中に元夫もいるんだよねぇ)
そんな日々。

そんなイェンの元に、小包が届く。
香港で会った、あの密航者の少女から。
中を開ければそこにはドリアン。
少女からの手紙には
「わたしもあのあと、警察に見つかって深センに帰りました。
 とてもうれしいです。なぜなら深センこそがわたしの家だから・・・」

最初の方はよくわからず、ぼーっと見ていたんだけれど
(あとをつけてた青年なんて意味わからんもん。サム・リーだったらしいけど・・・)
イェンが牡丹江に戻った頃から話の輪郭がいきなりはっきりして
「おおう・・・」と思いました。
このイェンがねぇ、いいのよねぇ・・・。
なんかねぇ、汚れてないんだよねぇ。
もちろん本人の心はどうなんだかよくわかんないけどさ。
牡丹江に帰ってからのイェンがきれいなの。
元々香港にいるときも、そんなに派手なかんじではなかったけど
仕事柄、化粧したりしてるのね。
だけど牡丹江では、ほとんどすっぴん。白い肌が寒さでピンク色になって
眉毛も心もとないかんじで、赤いダウンコート。
まったくピュアなかんじなんだよねぇ。これが不思議だった。
仲間と大声で叫んで笑いあったり、全く普通で
それがものすごく新鮮な映画でした。
マネして赤いダウン買っちゃったわよう。鏡見ろってね。そうよね。

窓の外は一面雪景色の食堂で食べるドリアンってどんな味なのかしら・・・
もちろん、ドリアンなんて見たことも聞いたこともない人達と一緒に食べる味。

ヒマにまかせて映画鑑賞(中・香・台) | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

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