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花村萬月:ゴッド・ブレイス物語

ゴッド・ブレイス物語ゴッド・ブレイス物語
花村 萬月

集英社 1993-09

おすすめ平均

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朝子は、活気あふれる19歳のロックシンガーだ。ライブで人気を集めるバンドを率いている。騙されて行った京都で、そんな彼らが遭遇する愛と冒険の日々…。切ない恋心に胸を焦がしたことのある人なら、自分の不誠実な生き方に後ろめたい想いを抱いて生きている人なら、読んで涙せずにはいられない、花村万月、鮮烈のデビュー作。第2回小説すばる新人賞受賞作。


初々しい・・・
今、これを読むとすごーく新鮮。
あんなにぎらっとした萬月さんのデビュー作は
あまりにも淡々としてかわいらしい。
だって女の子が主人公だし!

もちろん、ブルースや、ヤクザ、楽器やバイクに関する薀蓄など
萬月さんの本に欠かせないディテールがちりばめられている。
だけど、牙を隠してんのかどうなのか、
それらの色彩は薄い。

朝子は天才といわれるブルースシンガー。
3人の男を従えたバンドで活躍している。
その面々も、プロのバックミュージシャン等、
いくらでも稼げる立場なのに朝子の歌にほれ込んだような
そんなバンド。
でも、まだデビューはしてない。
ライブとバイトで食いつないでいる。

ある日、マネジメントをしてくれている事務所から
京都行きを打診される。
祇園のバーで一月演奏すること。
ギャラに惹かれた朝子は契約書も交わさず、口約束で京都に乗り込む。
しかし、京都で朝子達を待っていたのは
全く違う話。
ボーカルなんていらない。バンドはバックバンド。
お金はもうマネジメント事務所に払い込んでいる。
驚いて事務所に電話すると、事務所はもぬけの殻。
騙された・・・
当然1ヶ月タダ働きになる朝子達。
しかもボーカルなしのため、全く仕事がない朝子は
ホステスとして雇われる。

バンドの3人の男たち。
ドラマーの1人息子の健。
バーを経営するヤクザな社長。
朝子。
それぞれが人に言えない傷や、秘密を持って生きている。
同性愛、妻に逃げられた男。母親に捨てられた息子。
愛する人を失った女。人を愛することに不器用な男。
それらを一つ一つ、朝子は目にして、心に留めて
包み込んでいく。
京都での濃密な時間の中で、朝子の痛みも癒えていく。
朝子の痛みが癒えるとき、
それは朝子のボーカルが進化するときだ。

物語には登場しない、朝子の恋人だった
イシガミという男。
よく読めば、結構濃いキャラで、朝子に影を落とす原因なわけだが
他のメンツが濃すぎて、薄い取り扱いっぽかったのが残念だなぁと思う。
内容の割に、枚数が少ないのかしら。
1人1人がかなりの物語を背負っているはずで
彼らにスポットを当てたら、もうものすごい分厚い本になりそう。
それの中心にいる朝子の存在感が意外なまでに薄い。
だから、周りが輝くのかしら・・・。
ま、19歳だから仕方ないか笑
社長なんてすごくいい男にも思える。

最後が雨の中のライブで終わるなんて、青春っぽくていいなぁ。
こういう青春、かなりうらやましい。

蛇足ですが、文庫にはもう一編、
「タチカワベース・ドラッグスター」という小説が入っています。
これは、・・・昔の山田詠美?・・・というような短編でございました。
メカに関する薀蓄を外してしまえば、あの姉ちゃんのキャラなんてもろじゃんかー
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今回は花村萬月『ゴッドブレイス物語』です。 花村 萬月は1955年、東京都生まれ。小平サレジオ中学校卒業。 1989年、デビュー作の『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞。 1998年、『皆月』で、第19回吉川英治文学新人賞。 1998年、『ゲルマニウ
花村萬月『ゴッドブレイス物語』 | 初心者のための読書ガイド | 2008/12/03 9:35 PM
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