安野モヨコがどっかで「このマンガは唯一、自分の趣味で描いた、大好きな作品」
みたいなことを言っておりました。唯一自分の趣味で・・・ってことは
他のマンガはどないやねん、描かされてんのかい?とも思ったけどw
確かに「美人画報(だっけ?)」を読んでも、和趣味!キモノ!みたいな箇所もあったし
まぁよかろう(誰だよ)と思って、マンガ読んでみたけど
正直、つまらんかった。マンガは。やりたいことはわかるけど、まったく胸を打たんかんじ。
映画もしょーじき期待してなかったのでございます。
ただ、安野モヨコがマンガ表現しきれなかった世界が
実写だったら可能かしら・・・?とも思ったのよね。
だって蜷川実花の写真も好きだったし、土屋アンナははまり役だと思ったし
まぁ林檎の音楽をキャスティングの意図のバレバレ感(?)も面白かったし。
最初のほうはまぁ見れた。
雰囲気出そうとしてるのもわかったし、久しぶりに菅野美穂の実力も見せて頂き眼福でござった。
だけど、力の入れ方というか緩急がなく突っ走るような展開にちょっと飽き飽き。
土屋アンナも最初のヤンキーっぷりは良かったけど
そこから化け切れなかったかんじがする。男が離れない、そんな売れっ子感がなかった。
美術もアイデア(吉原の入り口の金魚の水槽とか。煮えちゃいそうだが)は素晴らしくて
色彩も蜷川実花らしくていいんだけど、映画向きの色彩じゃないなぁと思ったある。
これが写真集だったら素晴らしいんだろうな。
写真集も出てるようだし、この写真集だけ見たらええんちゃうかな?と思ってしまいました。
実際、DVDのジャケットや映画の写真なんかはほんとに蜷川実花らしく
カラフルで華やかで良かったんだもの。
林檎の楽曲もただうるさいだけで、確実に映画と分離しておった。
林檎のPVなら最高なんだけどwほんともったいない。
「さくらん」自体がまだ終わってない(よね?)ため、オチは脚本が考えたものだと思うけど
そりゃあないだろう!!と・・・。
きく葉はそんな選択しないだろう!と思う。
「自分の力で出てやる!」って歯ぁくいしばりながら生きてきたはずなのに
男と駆け落ちかよ!男と駆け落ちすんのが「自分の力」なのかよ!
しかも、普通のキモノを着たきく葉ちゃんは
ただの小さいオンナみたいになっちゃって、がっかりだよ!!
突っ張って生きてきたけど、好きな男の前ではカワイイオンナなの・・・って
そんなオチかい!と思わせる、最後の堤防の場面でございました。
安野モヨコはこんなオチでよかったのか?
まー、でも前の惣二郎のときもそうだったしなぁ・・・。
恋はオンナを狂わせる・・・そんなかんじでもいいけど
個人的には、吉原一にまでのし上がったオンナがそんなちんまりした生活・・・という
オチなんて有り得ないと思・・・
お金もかけて、アイデアや才能を惜しげもなく突っ込んで、
趣味全開にして作り上げたはずなのに
その全てがぶつかり合ってしまって、バラバラになってしまって
本当にもったいない映画だなぁ・・・・・とひっそりとため息。
これをバランスよく統合して作り上げるのが監督の仕事だと思うので
本当によい映画を作っていきたいのであれば
蜷川実花はもっと地道に勉強して欲しいなぁーと思ったよ。
(とここで調べてみたのであるが、彼女は短編もPVも監督経験がないのね?)
それができないなら、写真撮ってなさい。ほんとにもう。ほんともったいない。
この記事に対するコメント
映画は。
うーん 所詮排泄どころなのに 何を夢見てんだ? しろーとのお姉さん?>蜷川
映像美なんてコトバや感覚で表現しようと思っても デコと凹。 違うのではないでしょうか?とオンナのワタクシでも思ってしまうものでした。
漫画は読んでますが映画はみておりません
というか漫画原作の映画は地雷が多いので
お金、アイデア、才能も突っ込めばいいってもんじゃないんだね。監督の力量不足かぁ。
確か既に、撮っている最中に、蜷川実花がいきなり映画監督やれるなんて親の七光りの何者でもない!けど、どれほどの腕か?!みたいな批判記事を読んだことあったなぁ。
私も自分の目でもったいないっぷりを確かめたいと思います。
そうなのよねぇ・・・。
全部凸凸凸ってかんじで。
まさに「夢を見てた」ってかんじ笑
■まろゆきさん
こんにちわ。
この映画に関しては、他のマンガ原作映画みたいな生臭いかんじやイメージのズレはなかったんですよね。
多分、あの豪華絢爛な映像のせいだと思うけど。
あ、ということは、マンガの実写化という意味では成功してんのか?
■透子ちゃん
脚本、映像(あくまで映画ではなく映像)、
美術、音楽、役者、ほんと悪くないんだけどなぁ・・・・
ほんと、なんかもったいないんだよねぇ・・・
蜷川実花本人も写真家としてはある程度の地位があるから、七光りってわけじゃないとは思うけど・・・。「写真撮れるし、監督だって簡単にできるわよ★」って勘違いしちゃったのかしら。
難波ドラ(ドラを変換できず)という難波の遊女の青年漫画が似た時期に出ていて、そちらはきれい事ナシだったし遊郭というのはこういうもんだろうと、よほどリアルに感じました。
ごめん、すげえ遅レスだ。
マンガつまらんかったよね?ね?
なんかこのマンガいい!って人がいっぱいいたから、感性間違ってんのかと思った(?)
>難波ドラ(ドラを変換できず)という難波の遊女の青年漫画が似た時期に出ていて
なにそのおもしろそうなマンガ!
漫画さくらん、つまんなかった。断言。残念だけど。どっかの書評では褒めてたけど。
安野モヨコの絵世界が大好きな人なら、独自の遊郭ワールドを楽しめたかもね。私なんか、おそらく「さくらん」での決めシーン?と思われる、主人公の「にいっ」というスマイルの場面で凍ったもの。惜しくて。作者が表現したいことが伝わってきただけに・・。小説「さゆり」で主人公さゆりが必殺技「砂糖を凍らしたような笑顔(だったかな?)」を編み出したシーンを連想したなー。女性が料理するには手に余る題材なんじゃないだろか。もっと時間をかけて料理すればよかったのにー、と思う次第だい。
難波ドラはね、「もりもと崇」という人の漫画だす。絵柄も内容も、けっっっして女性向けではないので電車では読めないシーンがちらほら出てはきますが、この人の漫画はSonny買い集めてまっす。
我が内なる江戸っ子じいさん(久しぶり)が読みたがってるんだろーか。
江戸〜明治初期をお得意としてる漫画家さんです。他にも本出てきてうれしい。良かったら探してみてね。
そうなのよ。
安野モヨコのやりたいこと(遊郭の世界を描きたい)、っていうのはわかるんだけど
なんかずっごい雑な作りのマンガだなぁと思ったのよ。
絵にしてもストーリーにしても。
映画もねぇ、葉月りおなの不気味なくらいのきれいさや、吉原炎上みたいなえぐさがもっと出てたら良かったのになぁ・・・と。
最近の遊郭ものはなんか安っぽいのう。
>難波ドラはね、「もりもと崇」という人の漫画だす。
うん、探してみるー
時々でいいから何か言葉がほしいですね。
みんなごめんよう!
ほぼ休止状態になってもう1年。
こうやって気にかけてくださる方がいるとは思っておりませんでした。