地味な女子の読書とか映画とか。

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「ノルウェイの森」

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お久しぶりでございます。ご無沙汰しております。
お久しぶりがこれ、というのもどうか、とも思うんですけれども
リクエストも頂いていたことですし、
どうもこの映画、公開された後、レビューがどこからも聞こえてこなくてですね。
前評判はものすごかったはずなのに、不思議ねぇ?と思っていたのでございます。

ま、皆が黙殺したわけがわかったわけですが。


話はちょっとずれまして、中国の国内映画に「天安門の恋人達」という映画があります。
天安門事件が起こった頃、北京の名門大学に通っていた大学生達の話で
ダンスパーティをしたり、寮の部屋でセックスしたり、勉強したり、
社会事情について論じたり、そういう中で天安門事件が起こり
ある人は退学し、ある人は海外に留学する。
そして、何年も経ったあと、再会を果たしたとき…って物語で
この映画は中国国内では上映禁止になり、政府の許可をとる前に海外の映画祭に出品したりと
だいぶやんちゃな映画で、わたくしの大好き映画10本の中に入るのですが
この映画を見たときに、これはノルウェイの森みたいだな、この監督、絶対ノルウェイの森読んだだろうな
と思ったのでした。
と、いうことで、今まで春樹が「うん」と言わなかったあの小説を
外国の監督で映画化する、と聞いたとき、
外国の感覚で撮ってもらえば、邦画のこそばゆさみたいなのが消えていい映画になるのではないか、と
ほんのりと期待を寄せて……


ああああっ!!!ちがーうちがうちがう違くねえかこれ。


実はこの監督の映画は「青いパパイヤの香り」しか見たことがなかったため
不勉強であったことは否定しないんだけども
シーンの撮り方が独特すぎて、たまに意味不明であった。
なぜこのシーンをこういう風に撮るのか、という感覚が
ちょっと予想以上に自分のイメージから離れていて、思わず動揺。
(一番変だと思ったのが、渡辺くんが、バイト先で指ケガしたシーンね…)

登場人物のキャラ設定については、とにかく、レイコさんが衝撃。
ギターは弾くのはいいけど、まさか歌を歌っちゃうのか??
しかも、やさしい歌い方ではなく、じゃかじゃか弾きながらだいぶ声を張り上げて歌っていらして…。
あと、申し訳ないけど主人公のワタナベくんの気持ち悪さがもう秀逸。
なんであの子ずっとにやにやしてるの?
確かに、ワタナベくんがリアルの世界にいたら、気持ち悪いとは思うけどさ。
あそこまで気持ち悪くなくて良くないか?

けど、まぁ、ものごとに対する感覚なんて人それぞれだし…と思いながら
なんとか頑張って最後まで見たんですの。
どこかで読んだインタビューの中で、登場人物のせりふ回しを、現代っぽくするかどうか決める際に
原作を大事にしたいから、現代から見れば多少変でも原作のままに…って話を読みまして
画面の色彩やら、シーンの組み立てやらに多くの違和感を感じながらも
まぁそれがこの監督の持ち味でもあるし
なんだかんだで原作には忠実に作ってあるんだなぁ…とは思っていたのですが、


最後15分で原作から思い切り飛びだしたな。


レイコさんが、ワタナベくんのおうちにやってきて、
「ねえ、セックスしない?」と聞いたとき
(しかも原作だと、色々お話したりギター弾いたりした後のはずなんだが
 この映画だと、家に押しかけて突然「何も言わずに抱いて」状態…)
こともあろうにワタナベくん

「…ええ?するんですか…?…ほんとにするんですか…?」

おいこら、なんでそんなに嫌そうなんだよお前。
そうじゃねえだろ。そこは
「僕もそう思ってました」って言って、
それが自殺した彼女への二人だけの弔いになるんだろ。
じゃなかったらこの話終われないだろ。

しかもレイコさんも「するの。しなきゃだめなの」なんて言っちゃって
なんか年増女が若者の家に押しかけて無理強いしてるだけ、みたいになってしまい
御蔭で、レイコさんが帰ったあとのミドリに電話するシーンでは
もはやワタナベくんは
「年増女に言い寄られてとりあえずやってあげたけど、
 口直しに自分に気がある若い女子に声をかける優男」
に成り下がってしまい、エンディングに流れる「ノルウェイの森」がもう意味が…(号泣)


あぁ、そう言えば、ミドリ役の子が思ったよりも良かったです。
もう少しポップなかんじでも良かったかな。
色彩にセリフのトーンが負けてしまったところが勿体なかったけど。
菊池凛子は、監督から「イメージちゃうし」って断られたのに、
ハリウッド仕込みの粘りで勝ちとっただけあって、頑張りはしたと思う。
(マツケンとのバランスが悪かったのは、マツケンのせいにして良し)


ということで、この本に限らず、村上春樹の作品を映画化するのであれば
できれば日本語をセリフに使わない方が良いと思います。
もちろん時代の空気感とか出したいのはわかるけど
同じようなシチュエーションは、中国にもドイツにも東欧にも中東にもあるはずで
そこにいる若者は多かれ少なかれ似たような情況に置かれてるからね。
だから、彼もベトナム人やフランス人や中国人(華僑だからね)を使って
彼自身が理解できる言語で撮影すればもっと面白いものができたんじゃないのかな、と思うし
それならば、日本人が過剰な期待(まっとうな期待だけど)をしなくても良かったのでは?と思うです。
それで、これからも日本の小説を原作(もしくはモチーフ)にした海外映画が増えたりすると
(もちろんその逆もOK)面白いんじゃないかなぁ。

そういえば、これ、中国大陸で映画館上映するんだよ。今度。
中国、ハルキストいっぱいいるんだよ。大丈夫かな。
ヒマにまかせて映画鑑賞(日本) | permalink | comments(3) | -

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この記事に対するコメント

個人的には、レイコさんがバックハウスとベームのブラームスを聴いてるシーンが出てこなかったのが残念。

まあ、それはともかくとして、この映画みたあとすぐ、10年ぶりで原作を読んだ。
作品世界のイメージを整理するために。
転勤族 | 2011/10/30 12:12 AM
うたぎくさん

こんにちは。
リクエストに応えていただいてありがとうございます(笑)
自分で観に行くと発狂してしまいそうだったので、
思わず“最強の批評装置”たるうたぎくさんに
お願いしてしまった次第であります。。

(すみません、気持ちが落ち着いたら自分でも必ず観ますので、、)


どこかで読んだ批評にも
「レイコさんがただのエロいおばさん」になっていたと書いてあって、
なんだかイヤな予感がしていたのですが…

あるいはひょっとして、“最後15分の逸脱”というのは
物語自体を「Knowing she would」的に解釈したと
考えるべきなのかもしれませんね(ひどいオチですみません…)。

かさねがさね、ありがとうございました。


Alleine
Alleine | 2011/10/31 10:48 AM
>転勤族サマ

わたしも読みなおしましたよ。何回もー(つД`)

>Alleine

ぃぇぃぇ、大変遅くなりまして申し訳ございませぬ。

レイコさんは確かに難しいキャラだから、それゆえに誰がどのように演じるのか楽しみだったんですよ。
しかもミドリやハツミさんが良く出来てたので、余計に残念。

是非、見てくださいね。
そして感想を教えてくださいませね(笑顔)
うたぎく | 2012/01/30 10:26 PM
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