本編には多くの登場人物が出てきます。
普段は京極堂や、榎木津など異常にキャラの濃いメンバーや
事件の中心になる人物にかき消されて
記憶から遠いところにいるような(笑)人物にスポットを当てた短編集。
・「絡新婦の理」の碧の僕(笑)杉浦&「魍魎の匣」の加菜子
・「姑獲鳥の夏」の久遠寺涼子
・「絡新婦の理」の目潰し魔平野
・思い出せないんだけど多分「魍魎の匣」に関係している鈴木敬太郎
・「鉄鼠の檻」に関係した消防士達のその後日談
・「絡新婦の理」で殺された女学校の監守、山本純子
・「塗仏の宴」で藍堂子と結託した悪徳刑事岩川
・「鉄鼠の檻」で二番目に殺された僧、円覚丹
・これもまた思い出せないんだけど、刑事の木下
・そして真打(笑)関口の「姑獲鳥の夏」直前の日々。
よく考えたら当たり前のことなんだけど
すぐ殺されてしまったり、全部で数ページも出てこない脇役にも
彼ら自身の人生があって、
それらが実際本編の事件に多かれ少なかれ影響を与えてるんだよねぇ。
そして、本編の語り手以外の目から見た事件には
また別の物語が存在する。
そういうことをしみじみと考える本です。
山本純子の話が泣けるなぁ。
普段の京極堂シリーズに比べると、京極堂自体が出てこないので
薀蓄もないし
京極堂おまけシリーズ(榎木津や多々良先生)に比べると
思い切り暗い本。
京極堂本編を読まないと、かなり分かりづらいかも。
今、アマゾンで検索してて気付いたけど
「百鬼夜行(鳥山石蒸)」って普通に市販されてんだね。
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