地味な女子の読書とか映画とか。

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京極夏彦:百器徒然袋 雨ー探偵小説ー



百器徒然袋―雨京極 夏彦おすすめ平均面白っ!笑いにつきました榎木津礼次郎ファンクラブのための一冊Amazonで詳しく見る4061821008


探偵:榎木津礼二郎ー榎木津財閥の御曹司であり、容姿端麗、頭脳明晰・・・・

人をさばくということ
京極堂ファミリーの印象はどことなく暗い。人物の性質が暗いんじゃなくて(暗い人も多々いるけど)
彼らが持っている印象、色彩が黒いのかもしれない。
何故なら、彼らは「考えて」いるからだ。
関口を始め、敦子も、伊佐間も青木も木場も待古ちゃんも鳥口も、そして事件に関わる人々も。
彼らの過去や現在は、「彼らの意思のもとに見た、彼らの考え」として、本の中で語られる。
京極堂が主体になることはないが、彼はものすごい文字数で語るので、印象としては暗い。
(黒い服着てんだけどw)

その中で一人、別の色彩を放つのが榎木津だ。

暗いとか明るいとかそういう問題じゃなくて、彼は閃光を放っている。
その閃光は誰かを照らすものではなく、彼自身を照らしている気がする。
彼は考えない。(多分)
彼は語らない。(喋りはするけど、会話として成り立ってない気がする)

そして彼は事件や、事件に関わる人を徹底的に破壊するだけだ。
裁くのは神だ。
そして神は榎木津だから!HE IS GOD! GOD IS HE!わーわー

おお、かっこいい導入ができた☆

いつものシリーズだと榎木津は、特殊な視覚能力(相手が過去に見たものが見える)を使い
京極堂の推理の手助けをしたり、暴漢と戦ったりする脇役(!)なのだが
(言い換えると、「頓狂な発言により場を混乱させたり、大暴れしたりする」)
今回は榎木津探偵が主役(メイン?)。
彼にとって探偵とは職業ではない。探偵=彼なのだ。神なのか探偵なのかどっちかにしてほしいけど。
彼のいう「探偵」とは、調査をしない。
なぜなら彼の眼力が一発で見抜くから。(多分)
神(榎木津)は何でもお見通しである。(多分)
そして、この探偵は調査するだけではなく、自ら解決しようとする。
そして悪人には、神(しつこいようだけど榎木津)の裁きを与えようとする。

この本の中に、お手伝いの女の子を輪姦した金持ちの馬鹿息子の話がある。
彼女は主人公(主役ではない、ストーリーテラーとなる人物)の妹で、
彼は、その妹の仇を討とうと、榎木津探偵に依頼する。
周りの人間が「その馬鹿息子を改心させる」「謝らせる」「責任とってもらう」と言う中
榎木津がとった方法は
「その息子に輪姦される気分を体験させる」

文章でこう書くと、何ともないかんじだけど
実際の内容は気分爽快だ。
同じ思いをさせて、同じ恐怖を味わなければ、本当の改心はできないのかもしれない。
この本の中には笑いがつまっている。
扱う事件が、京極堂本編に比べて陰惨ではないし、
何せ、陰鬱な本編の中で異彩を放つ榎木津がメインなんだから
その明るさはある意味救いでもある。


この本の中にも、もちろん京極堂が出てくる。
そして京極堂もそこはかとなく明るい。
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救いようの無い八方塞がりの状況も、国際的な無理難題も、判断不能な怪現象も、全てを完全粉砕する男。探偵・榎木津礼二郎。不可能状況を打開する力技が炸裂する三本の中編。 これは面白かったのです。読んでいてスッキリします。探偵・榎木津礼二郎が主役なんですが、
百器徒然袋―雨 / 京極夏彦 | 音楽と日々の日記 by edge-242 | 2004/09/03 6:20 PM
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