地味な女子の読書とか映画とか。

現在、海外暮らしのため 不定期に更新しております。本が読みたい。
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宮尾登美子:一絃の琴

一絃の琴
宮尾 登美子






音楽的素養を一切持ち合わせておりませんので、
もちろん、琴のことは存じ上げません。(大正琴ならわかるけど)
一紘琴という琴の種類があって、それにかける明治の女達の物語。
おうちに遊びに来ていた絵師の弾く琴に魅入られて、琴を弾き始める苗。
侍ばかりが習っている塾で男に混じって稽古に励むけれども、
師匠の死、塾の解散、近所の目の中で、琴から遠のく苗。
だけど、同じ塾の先輩だった有伯の琴を聞いてから、彼の元へ通いだす。
この有伯さん、酒飲みーの、無頼なかんじ。
そんな有伯さんに淡い恋心を抱くも、これを機に苗はまた琴から足が遠のく。

その後、一度目の結婚は不幸のままに終わり、
二度目の結婚で、素敵な旦那に巡り合う。
そうして再び琴を手にとり、「市橋塾」という琴の塾をたちあげる。
この塾は女子の行儀見習も兼ねていたので、
市橋塾の名前は高知中に轟いて・・・

その塾に入ってきた蘭子。
金持ちかつ、土地の実力者の娘。容姿端麗・品行方性。
琴の実力も塾で一番で、「やがては自分が市橋塾の後継となる」と思っていた。

この蘭子が、痛いんだよねぇ。
もう「自分が一番」って信じていて。
それは蘭子の才能や、まわりの人間がそう思わせた部分もあったかもしれない。
そういう部分に苗は気付いてしまった。

「エースを狙え」のお蝶夫人(夫人って・・)や「ガラスの仮面」の姫川亜弓を
想像して頂けるとわかりやすいと思う。
で、常として岡ひろみや北島マヤのような少女が出てくる。
マンガであれば、師匠は二人をまぁ平等に(エース〜は知らないけど)扱うわけだけど
この場合はそうは行かない。
周りの人間の思惑が存在するから、師匠は北島マヤと姫川亜弓を平等に扱うことは
できなかった。北島マヤは塾を去り、姫川亜弓だけが残る。
だけど結局、苗は別の手段を用いて「蘭子=後継者」を拒否。
蘭子は琴から手を離した。

でもね、わたしは姫川亜弓(蘭子だけど)の気持ちがすごくわかるんだよねぇ。
恵まれて育つのも、彼女が選んだわけではないしね。
それが覆されそうになったときに、色んな手段で防衛しようとできるところが
彼女たちにとっての不幸なのかもしれないけど。

でも戦後、さびれた一紘琴を復活させるのは蘭子。
そこにかつてのライバル北島マヤの姿はない。
蘭子は最後まで苗の思いを知ることはなかったのだけど
苗と蘭子はどこか似てるよ。

ところでこの二人、琴から離れてる期間が結構あるんだよねぇ。
そういう手習い毎というのはよくわからないんだけど
再び琴に手を触れたときには、身体や耳が覚えてるものなの?
宮尾登美子 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

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